PR

仮想通貨の税金:雑所得・申告分離課税の仕組みと確定申告の手順

仮想通貨ニュース
記事内に広告が含まれています。

仮想通貨(暗号資産)で利益を得た場合、現行制度では雑所得として他の所得と合算され、最大55%の税率がかかる。どの取引が課税対象になるのか、利益をどう計算するのか、確定申告はいつ・どう行うのかを、2026年6月時点の制度に基づいて体系的に整理する。2028年からは申告分離課税(20.315%)への移行も予定されており、その内容も含めて解説する。

この記事のポイント

  1. 仮想通貨の利益は雑所得に区分され、給与所得など他の所得と合算する総合課税の対象。最大55%の税率がかかる(2026年6月時点)。
  2. 売却・交換・仮想通貨による決済だけでなく、ステーキング報酬やエアドロップも課税対象。保有しているだけ(含み益)は課税されない。
  3. 2025年12月の税制改正大綱に基づき、2028年から申告分離課税(20.315%)への移行が予定されている。損失の3年繰越控除も導入される見込み。

仮想通貨の税金の基本:雑所得と総合課税の仕組み

雑所得とは何か

日本の所得税法では所得を10種類に分類している。仮想通貨の売却や交換によって得た利益は、原則として雑所得に区分される。雑所得とは、給与所得・事業所得・不動産所得・退職所得・利子所得・配当所得・山林所得・譲渡所得・一時所得のいずれにも該当しない所得のことを指す。(参考: 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和7年12月)」

総合課税と最大55%の税率

雑所得は総合課税の対象となる。総合課税とは、給与所得や事業所得など他の所得と合算した後、その合計額に対して累進税率を適用する課税方式だ。所得税は以下の7段階の税率が適用され、これに住民税(一律10%)が加算されるため、最大で合計55%の税率となる。(参考: 国税庁「No.2260 所得税の税率」

課税される所得金額 所得税率 住民税率 合計税率
195万円以下 5% 10% 15%
195万円超〜330万円以下 10% 10% 20%
330万円超〜695万円以下 20% 10% 30%
695万円超〜900万円以下 23% 10% 33%
900万円超〜1,800万円以下 33% 10% 43%
1,800万円超〜4,000万円以下 40% 10% 50%
4,000万円超 45% 10% 55%

たとえば、年間給与収入が600万円ある会社員が仮想通貨で100万円の利益を得た場合、その100万円は他の所得と合算した上で税率が適用される。株式投資の利益(申告分離課税で一律20.315%)とは課税方式が根本的に異なる点に注意が必要だ。

課税対象の取引と課税されない行為

課税対象となる主な取引

国税庁の暗号資産に関するFAQ(令和4年12月改訂版)によると、以下の取引が課税対象に該当する。(参考: 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについてFAQ」

取引の種類 課税が発生するタイミング 利益の計算基準
日本円での売却 売却した時点 売却価格 − 取得価格
別の仮想通貨との交換 交換した時点 交換時の時価 − 取得価格
商品・サービスの購入(決済) 決済した時点 決済時の時価 − 取得価格
マイニング報酬の取得 報酬を受け取った時点 受取時の時価(取得額全額)
ステーキング報酬の取得 報酬を受け取った時点 受取時の時価(取得額全額)
エアドロップによる取得 受け取った時点 受取時の時価(未上場トークンは0円)

注意が必要なのは、ビットコインをイーサリアムに交換するなど仮想通貨同士の交換も課税対象である点だ。交換時点でビットコインを「売却した」と同等の扱いになるため、取得価格との差額が雑所得として計上される。(参考: SBI VCトレード「暗号資産(仮想通貨)投資をするなら知っておきたい税金の基本」

課税されない主な行為

課税されない主な行為

  • 仮想通貨を購入するだけ(含み益の状態)
  • 自分が管理するウォレット間での移動(売買が発生しない)
  • 取引所をまたいだ単純な移動(売却・換金を伴わない場合)
  • 市場価格が存在しない未上場トークンのエアドロップ受取

保有しているだけの状態(含み益)では課税されない。利益が「確定(実現)」するのは、売却・交換・決済などの処分行為が行われた時点だ。

損益の計算方法:総平均法と移動平均法

基本となる計算式

仮想通貨の雑所得は次の式で求める。

利益(雑所得)= 売却価格 × 売却数量 − 1単位あたりの取得価格 × 売却数量

「1単位あたりの取得価格」をどう算出するかが計算の核心となる。国税庁は総平均法(原則・届出不要)と移動平均法(届出により選択可)の2種類を認めている。

総平均法(原則・届出不要)

1年間(1月1日〜12月31日)に購入した全取引の合計金額を合計数量で割り、「年間の平均取得単価」を算出する方法だ。計算の手間が少ないが、年末を過ぎるまで正確な損益が把握しにくい点が特徴だ。

計算例:1月に1BTC=500万円で1枚購入、7月に1BTC=600万円で1枚購入。12月に0.5BTCを時価700万円で売却した場合。

  • 年間購入額合計:500万円+600万円=1,100万円
  • 年間購入数量合計:2BTC
  • 平均取得単価:1,100万円÷2=550万円/BTC
  • 売却利益:700万円 − 550万円×0.5 = 700万円 − 275万円 = 425万円

移動平均法(届出が必要)

購入するたびに平均取得単価を更新する方法。年の途中でも現在の損益を正確に把握できる。移動平均法を選択する場合は、その年の確定申告書の提出期限(翌年2月15日)までに税務署への届出が必要だ。一度選択した計算方法は原則として変更できない。(参考: クリプタクト「総平均法・移動平均法どちらがお得?」

比較項目 総平均法 移動平均法
計算のタイミング 年末に一括算出 購入のたびに更新
途中での損益把握 難しい 随時把握できる
計算の手間 比較的少ない 取引ごとに更新が必要
届出 不要(初期設定) 翌年2月15日までに届出
変更の可否 一度選択すると原則変更できない

損益計算ツールの活用

取引回数が多い場合、手作業での計算は現実的でない。Gtax・Cryptact・Aerial Partners など、各取引所の取引履歴CSVをアップロードすると自動で損益を計算するサービスが国内に複数ある。ただし、ツールの計算結果についても申告者本人が内容を確認する責任がある。

確定申告が必要なケースと申告の手順

確定申告が必要なケース(2026年6月時点)

申告が必要な主なケース

  • 給与所得者(会社員など):給与以外の雑所得の合計が年間20万円を超える場合
  • 個人事業主・フリーランス:事業所得と合算した課税所得が基礎控除(48万円)を超える場合
  • 専業トレーダー・無職:仮想通貨の利益が基礎控除(48万円)を超える場合

注意点として、「給与所得者は20万円以下なら申告不要」のルールは所得税についてのもので、住民税には適用されない。住民税は金額にかかわらず自治体への申告が必要な場合があるため、少額でも各自治体に確認することが望ましい。(参考: 三菱UFJ銀行「暗号資産の税金はいくらから?確定申告が必要なケースや計算方法を解説」

確定申告の手順

2025年分(2025年1月1日〜12月31日の取引)の確定申告期限は2026年3月16日だった。以下は標準的な申告の流れだ。

  1. 年間取引報告書を取得する:利用する各取引所から「年間取引報告書」をダウンロードする。多くの国内取引所は1月下旬〜2月に発行する。
  2. 損益を計算する:取引報告書や取引履歴CSVをもとに、総平均法または移動平均法で年間の損益を算出する。損益計算ツールを使う場合も、計算結果の確認は自己責任で行う。
  3. 経費を確認する:取引手数料のほか、仮想通貨取引に直接関連する費用(専門書、セミナー費用など)は経費として計上できる場合がある。
  4. 確定申告書を作成する:国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(e-Tax)にアクセスし、雑所得の欄に仮想通貨の損益を入力する。給与所得・医療費控除・ふるさと納税分なども別途入力する。
  5. 申告書を提出する:e-Taxでオンライン送信、または印刷して税務署に郵送・持参する。申告期間は翌年の2月16日〜3月15日(土日祝が影響する場合は翌平日)。

(参考: 弥生「暗号資産取引は確定申告が必要?やり方と税金の計算方法」

節税の合法的な考え方

雑所得内での損益通算(含み損の実現)

仮想通貨の損失は、株式投資の損失とは通算できない(課税区分が異なるため)。ただし、同じ年の仮想通貨取引同士であれば、ある銘柄の利益と別の銘柄の損失を通算できる。含み損が出ている銘柄を年内に売却して損失を確定させ、利益と相殺する手法は、課税所得の圧縮に一定の効果がある。

ただし、損失の繰越控除(翌年以降への繰り越し)は現行制度では認められていない。損失が出た年限りの通算にとどまる点に注意が必要だ。

経費の計上

仮想通貨取引に直接関連する費用は雑所得の必要経費として計上できる場合がある。取引所の取引手数料・出金手数料はもちろん、仮想通貨に関する書籍・情報誌、取引に使用する通信費・PC費用の一部(業務割合で按分)なども対象となり得る。「生活費と明確に区別できる費用」であることが前提であり、按分根拠は記録しておくことが望ましい。

利益の年度分散と累進課税の意識

総合課税は累進制であるため、1年に大きな利益を集中させるより複数年に分散する方が合計の税負担を抑えられる可能性がある。ただし、これは市場状況や個人の事情によって実現可能かどうかが変わる。具体的な節税計画は税理士に相談した上で検討することを勧める。

2028年からの税制改正:申告分離課税への移行

令和8年度税制改正の概要

2025年12月に自民・公明両党が公表した「令和8年度税制改正大綱」に、仮想通貨(暗号資産)の課税方式変更が盛り込まれた。改正所得税法は2026年3月31日に成立・公布されており、仮想通貨の主な取引に対する課税が総合課税から申告分離課税(一律20.315%)に移行することが法律上確定している。(参考: 日本経済新聞「仮想通貨所得、20%分離課税に 28年から株式・投資信託並みに下げ」

主な変更点の比較

項目 現行(2027年末まで) 改正後(2028年〜予定)
課税方式 総合課税 申告分離課税
税率 最大55%(累進) 一律20.315%
損失の繰越控除 不可 3年間繰越可能(改正後の損失のみ)
他の金融所得との損益通算 不可 株式・FXとの通算が可能になる見込み

対象となる取引・対象外となる取引

改正法に規定される「特定暗号資産」の現物取引・デリバティブ取引・ETFが分離課税の対象となる見込みだ。一方、マイニング報酬・ステーキング報酬・エアドロップなどの「役務提供の対価」に相当する収入については、改正後も雑所得(総合課税)の扱いが続く可能性が高いとされている。対象範囲の詳細は政令・規則で定められる予定であり、2026年6月時点では確定していない部分がある。(参考: Coincheck「暗号資産の税制改正はどうなる?過去の事例も解説」

2027年末までの実務上の注意点

分離課税の適用開始は、金融商品取引法等の改正が施行された翌年の1月1日以後の譲渡からとされており、2026年6月時点では2028年1月施行が有力視されている。2027年12月31日までの取引は引き続き雑所得・総合課税(最大55%)で申告する必要がある。また、2027年以前に発生した損失は繰越控除の対象にならない。

よくある質問(FAQ)

Q1. 仮想通貨を保有しているだけで税金はかかりますか?

かかりません。保有しているだけ(含み益の状態)は課税されません。売却・交換・商品代金としての使用など、利益が「確定(実現)」した時点で初めて課税対象となります。ただし、ステーキングやマイニングで報酬を受け取った時点は、その時価が雑所得として課税対象になります。

Q2. 仮想通貨同士を交換した場合も税金がかかりますか?

かかります。たとえばビットコインをイーサリアムに交換する場合、その時点でビットコインを売却したとみなされます。交換時のビットコインの時価から取得価格を引いた差額が雑所得として課税対象になります。仮想通貨決済や別銘柄への交換は、法定通貨への換金と同様の課税が発生する点に注意が必要です。(参考: 国税庁FAQ

Q3. 損失が出た年は確定申告しなくてもいいですか?

現行制度では、仮想通貨の損失を翌年以降に繰り越す制度(繰越控除)がないため、損失が出た年に申告義務が生じないケースは多いです。ただし、住民税については別途自治体への申告が必要な場合があります。2028年以降の申告分離課税移行後は損失の3年繰越控除が導入される予定のため、損失が出た年も申告する実益が生まれます。

Q4. 仮想通貨の損益計算を自動でやってくれるツールはありますか?

国内では Gtax・Cryptact・Aerial Partners などの損益計算ツールが広く使われています。多くの国内取引所の取引履歴CSVに対応しており、アップロードするだけで総平均法・移動平均法に対応した損益を自動計算します。ただし、ツールの計算結果についても申告者本人が内容を確認した上で使用することが前提です。

Q5. 2028年からの分離課税はすべての仮想通貨取引に適用されますか?

改正後も対象外となる取引がある見込みです。マイニング報酬・ステーキング報酬・エアドロップなど「役務提供の対価」に相当する収入は、改正後も雑所得(総合課税)として扱われる可能性が高いとされています。対象の詳細は政令で定められる予定であり、2026年6月時点では確定していない部分が残っています。(参考: SBI VCトレード「ステーキングにかかる税金と確定申告の方法」

出典

  1. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和7年12月)」
  2. 国税庁「No.2260 所得税の税率」
  3. 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについてFAQ(令和4年12月改訂版)」
  4. 日本経済新聞「仮想通貨所得、20%分離課税に 28年から株式・投資信託並みに下げ」
  5. 三菱UFJ銀行「暗号資産(仮想通貨)の税金はいくらから?確定申告が必要なケースや計算方法を解説」
  6. Coincheck「暗号資産(仮想通貨)の税制改正はどうなる?過去の事例も解説」
  7. SBI VCトレード「暗号資産(仮想通貨)のステーキングにかかる税金と確定申告の方法」
  8. 弥生「暗号資産(仮想通貨)取引は確定申告が必要?やり方と税金の計算方法」
  9. クリプタクト「総平均法・移動平均法どちらがお得?自分に合う仮想通貨の損益計算法」
免責事項
本記事は情報提供を目的として作成されており、投資助言・税務助言を行うものではありません。仮想通貨(暗号資産)への投資は価格変動リスクを伴い、元本が保証されるものではありません。税務に関する具体的な判断については、税理士など専門家にご相談ください。本記事の情報は2026年6月時点のものであり、制度改正等により内容が変更される場合があります。投資はご自身の判断と責任において行ってください。

なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

コメント