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フィデリティ、イーサリアムETFにステーキング追加を申請。報酬は四半期ごとに現金で分配

イーサリアム(ETH)
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米フィデリティ・インベストメンツは8月11日、現物イーサリアムETF「Fidelity Ethereum Fund(FETH)」にステーキング機能を加える事前発効修正届出書(pre-effective amendment)を米証券取引委員会(SEC)に提出した。保有するイーサ(ETH)を最大100%までステーキングに回し、得た報酬を四半期ごとに現金で株主へ分配する内容で、実施にはSECの承認が必要となる。(参考: Decrypt「Fidelity Files to Let Its Ethereum ETF Stake and Pay Investors」

この記事のポイント

  • FETHは通常時に保有イーサの最大100%をステーキングでき、最低比率の定めは置かない。
  • ステーキング報酬の85%をファンドが保持し、15%は運用元・カストディアン・ノード運営者への手数料に充てる。分配は四半期ごとの現金払い。
  • 米国ではグレースケールが2025年10月、ブラックロックが2026年に先行しており、フィデリティは後追いの位置にある。

修正届出書の内容と最大100%のステーキング

FETHは2024年7月に上場した現物イーサリアムETFで、信託報酬は0.25%。純資産総額は約8億9800万ドルで、8月11日時点の累計純流入額は約21億3000万ドルとされる。(参考: crypto.news「Fidelity plans Ethereum staking for $898M FETH fund」

今回の届出書は、通常の市場環境では保有イーサの最大100%をステーキングに回せると定める一方、最低比率は設けていない。解約請求や経費支払いに備えた流動性は手元に残す設計だ。

バリデータ(ブロック検証を担うノード)の運営は、ブロックデーモン、フィグメント、ギャラクシー・デジタル・トレーディング・ケイマンの3社が担う。イーサはアンカレッジ・デジタル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツといったカストディアンを経由して委任され、秘密鍵の管理権はカストディアン側に残る。ステーキング開始時期は、目論見書が発効した後「実務上可能な限り速やかに」とされている。(参考: Cointelegraph「Fidelity Files to Add Staking to Ethereum ETF」

報酬の85%保持と四半期ごとの現金分配

報酬の配分は、ファンドが総ステーキング報酬の85%を保持し、残る15%を運用元・カストディアン・ノード運営者への手数料に充てる形をとる。ファンドが受け取った純報酬はまず経費に充当され、その後に株主への分配へ回る。分配額が不足する場合はイーサを売却して現金を用意する場合もある。

分配はイーサの現物ではなく米ドルで支払われる。受け取る側はウォレットを用意する必要がなく税務処理も簡素になる一方、報酬のイーサ建て数量が一定でも、支払額はイーサの市場価格に左右される。

届出書は分配について、保証されたものではなく、フィデリティの裁量で停止または終了できると明記している。Decryptは同社の文書を引用し「distributions aren’t guaranteed, and Fidelity can suspend or end them at its discretion(分配は保証されず、フィデリティは自らの裁量でこれを停止または終了できる)」と伝えた。

グレースケール・ブラックロックとの設計の違い

米国ではすでに複数の発行体がステーキング報酬の分配を始めている。グレースケールは2025年10月、米国の現物暗号資産ETPとして初めてステーキング報酬の分配を実施し、1株あたり0.083178ドルを支払った。(参考: Bitcoin.com News「Yield Hits Ethereum ETFs: Grayscale ETHE Distributes Staking Rewards」

ブラックロックは既存のETHAを改める代わりに、ステーキング専用の別ファンド「iShares Staked Ethereum Trust(ETHB)」を新設した。コインベース・プライムを通じて保有量の70〜95%を委任し、総報酬の82%を月次で分配する設計とされる。フィデリティは既存ファンドに機能を追加する方式を選んだ点で、グレースケールに近い。

項目 FETH(フィデリティ・申請中) ETHB(ブラックロック) ETHE(グレースケール)
導入方式 既存ファンドに追加 ステーキング専用の別ファンドを新設 既存ファンドに追加
ステーキング比率 最大100%(最低比率の定めなし) 70〜95% 公表資料では確認できず
分配の頻度と形式 四半期ごと・現金 月次・現金 報酬を売却し定期的に現金で分配
報酬からの控除 15%が手数料 18%を留保 公表資料では確認できず

コインテレグラフによると、ビットワイズは2025年9月にステーキング追加の申請を取り下げており、発行体の対応は一様ではない。同メディアは、今回の申請前にアナリストのライン・マウク氏がFETHのステーキング非対応を競合商品に対する「相対的な不利(relative disadvantage)」と評していたと伝えた。届出が伝わった8月12日の時間外取引では、FETHが2.4%高と主要イーサリアム関連ファンドの中で上昇率首位となった。

IRSセーフハーバーまでの経緯

米国のETFがステーキングに踏み込めるようになった背景には、税務上の整理がある。CoinDeskは、2025年11月に米内国歳入庁(IRS)が示したセーフハーバー(一定条件下で不利益な取り扱いを受けないとする指針)により、要件を満たす暗号資産信託がグランター・トラストとしての税務上の地位を失わずにステーキングできるようになったと報じた。

2024年7月FETHが上場。信託報酬0.25%。

2025年9月ビットワイズがステーキング追加の申請を取り下げ。

2025年10月グレースケールが米国のETPとして初めてステーキング報酬を分配。

2025年11月IRSがセーフハーバーを提示し、税務上の障害が後退。

2026年2月ブラックロックがステーキング専用のETHBを上場(コインテレグラフ)。

2026年8月11日フィデリティが修正届出書を提出。翌12日に各メディアが報道。

スラッシングと解除待ちに伴うリスク

届出書はリスクも列挙している。バリデータの不正や障害に対する没収措置であるスラッシング、そしてステーキング解除に時間がかかることによる流動性の制約が中心だ。解約に応じられない状況を避けるため、フィデリティは償還までの期間を延長する可能性があるとしている。

用語の整理

  • ステーキング:イーサリアムのプルーフ・オブ・ステークに資産を預け、ネットワークの検証に参加して報酬を受け取る仕組み。
  • バリデータ:預けられた資産を担保にブロックを検証するノード。ETFでは専門事業者が運営を担う。
  • スラッシング:バリデータが二重署名などの違反や重大な障害を起こした際に、預けた資産の一部が没収される罰則。
  • 解除待ち行列:ステーキングを解除する際に順番待ちが発生する仕組み。即時に現金化できない要因となる。
  • グランター・トラスト:信託自体には課税せず、投資家側で損益を認識する米国の税務区分。ETPの多くがこの扱いを前提としている。

承認時期と利回り水準という論点

第一の論点はSECの判断時期で、現時点で承認の可否や時期は公表されていない。第二は利回りの水準だ。イーサリアムのステーキング報酬は年率3.1〜3.3%程度とされるが、運用報酬やカストディ費用を差し引いた投資家への実質的な分配は年1.9〜2.6%程度にとどまるとの試算がある。

資金流入への効果も見方が分かれる。コインテレグラフは、ステーキング対応だけでは資金流入への影響は限定的で、数カ月続く相場上昇が伴わなければ効果は乏しいとのアナリストの指摘を伝えている。(参考: Cointelegraph「Ethereum ETF staking will have little impact without multimonth rally: Analyst」

足元の需給は堅調で、米国の現物イーサリアムETFは8月第1週に約2億4494万ドルの純流入を記録し、流入は5週連続となった。イーサ価格は8月12日時点で約1908ドルで推移している。(参考: TheStreet「Ethereum price today: August 12, 2026」

編集部の見方では、今回の申請の意味は利回りの上乗せそのものよりも、運用会社間の商品設計の差が「分配の頻度」と「報酬の取り分」に移りつつある点にある(根拠: FETHは四半期・報酬の15%控除、ETHBは月次・18%留保と、比較軸が手数料率だけではなくなっている)。ただし承認前の設計であり、最終的な条件が変わる可能性は残る。

出典

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産およびその関連商品は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載した内容は執筆時点で確認できた情報に基づいており、その後の状況変化により事実と異なる場合があります。なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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