ソラナのトークン経済を変更する提案パッケージ「SGP-0003」の正式投票が、2026年8月18日に締め切られる。可決されればSOLの1日あたりバーン量は現行の約648SOLから7,500〜9,000SOLへ、最大で約14倍に増える。(参考: coinpaprika「Solana’s 14x SOL Burn Vote Enters Its Final Days Before an August 18 Deadline」)
この記事のポイント
- SGP-0003は、手数料設計を変えるSIMD-0553と、発行減速を前倒しするSIMD-0550を束ねた提案。両方まとめて可決・否決される。
- 可決時、SOLの日次バーンは約648SOL(約4.7万ドル)から7,500〜9,000SOL(約65万ドル)へ増え、終端インフレ率1.5%への到達は2032年上期から2029年上期に前倒しされる。
- 提案の試算では、ステーキング利回りは1年目に4.93%から4.34%へ低下し、738のアクティブバリデータのうち3年目までに30が採算割れになる。小規模事業者の反発が最大の争点になっている。
目次
SGP-0003の投票日程と可決要件
SGP-0003は、SIMD-0553とSIMD-0550という2本の技術提案(SIMD=Solana Improvement Documents、ソラナの仕様変更提案書)を1つに束ねたパッケージである。ステーク加重のシグナリングで必要な閾値を8月5日に通過し、11エポックの正式投票期間に入った。
閾値はステーク済みSOLの15%にあたる6,516万SOLで、ネットワーク全体のステーク量は約4億3,265万SOLとされる。8月中旬時点で70を超えるバリデータが賛成を表明し、支持ステークは6,300万SOL規模と報じられた。(参考: Solana Compass「SIMD-0553 and SIMD-0550: Solana Burn and Disinflation Proposals Near 15% Vote Threshold」)
支持側にはJupiter、Staking Facilities、Drift Protocol、OtterSecといった主要プロジェクトが名を連ねる。なかでも最大のバリデータであるHeliusが約1,603万SOLを投じ、初期に集まった支持の約3分の2を単独で占めた。BlueshiftとTemporal Emeraldがそれぞれ360万SOL、124万SOLで続く。
2本が別々に採決されず束ねられたのは、単独ではSOLの需給に与える効果が限定的だからだ。バーンが最大の9,000SOL/日に達しても、ソラナが1日に新規発行する約6万SOLには遠く及ばない。
SIMD-0553による手数料の二分割とリソース課金
SIMD-0553は、現在の署名あたり一律5,000ランポート(1SOLの10億分の1が1ランポート)という基本手数料を廃止し、2つの要素に置き換える。1つはブロックリーダーに支払われる2,500ランポートの「包含手数料」、もう1つは全額がバーンされる「リソース手数料」である。
リソース手数料は、取引が消費した計算資源に比例して課金される。終端レートは1コンピュートユニットあたり0.5ランポートで、3段階のフィーチャーゲートを経てソラナ4.3リリースで到達する計画とされる。スパムや無駄の多い取引ほど負担が重くなる設計だ。(参考: Solana Compass「SIMD-0553 & SIMD-0550: Solana SOL Fee Burn and Disinflation Vote Closes」)
提案の推進主体の1つであるTemporalの試算では、現在の取引量が続けば終端レートで日次7,500〜9,000SOLがバーンされる。年間では約330万SOLが供給から取り除かれる計算になる。
SIMD-0550によるディスインフレ率の倍増
もう一方のSIMD-0550は、発行カーブそのものは変えず、変数を1つ書き換える。年間のディスインフレ率を15%から30%へ倍にする内容だ。開始インフレ率8%と終端1.5%は据え置かれ、到達までの期間だけが短縮される。
| 項目 | 現行 | SGP-0003可決後 |
|---|---|---|
| 年間ディスインフレ率 | 15% | 30% |
| 終端インフレ率1.5%への到達 | 約5.7年後(2032年上期) | 約2.8年後(2029年上期) |
| 基本手数料 | 署名あたり5,000ランポート | 包含手数料2,500ランポート+リソース手数料(全額バーン) |
| 日次バーン量 | 約648SOL(約4.7万ドル) | 7,500〜9,000SOL(約65万ドル) |
| ステーキング利回り(1年目) | 4.93% | 4.34% |
6年間で発行が抑制されるSOLは約1,890万枚にのぼる。報道時点の価格で13億〜15億ドル相当と伝えられている。Solana Compassによれば、2本を合わせた場合の年間の純供給増加率は2029年までに約1.05%まで下がり、公式の終端目標である1.5%を下回る。(参考: CoinDesk「A new Solana proposal would take daily SOL burns from $47,000 to $650,000」)
提案提出から投票までの経緯
2025年3月発行量の削減を狙った先行提案SIMD-0228がコミュニティ投票にかけられ、否決される。
2026年6月1日ソラナ共同創業者のアナトリー・ヤコベンコ氏がX上で、ディスインフレ率を倍にする新提案を求める投稿を行う。
2026年6月2日Heliusのエンジニアlostintime101氏と0xIchigo氏がSIMD-0550を正式に提出。
2026年6月10日AnzaのレビュアーがGitHub上で「概ね問題ない。細かい点がいくつかある」とコメントし、実装側の審査が進む。
2026年8月5日SGP-0003がステーク15%のシグナリング閾値を通過し、正式投票が開始。
2026年8月18日正式投票の締切。
AnzaのCEOであるブレナン・ワット氏は、SIMD-0550とSIMD-0553の双方について年内の実装トラックに乗せる形でコンセプト支持を表明していたと報じられている。Anzaはソラナの主要クライアント開発を担う、Solana Labsからスピンオフした企業である。
賛成派の論拠とバリデータ側の懸念
賛成派の主張は、名目上の利回りよりも供給圧力の抑制を優先すべきだという点にある。ソラナのフォーラムでは、ユーザーmpm氏が、過剰な発行によるトークン価格の下落が続くなら名目のステーキング利回りにはほとんど価値がなく、発行削減は長期的な経済の安定の前提条件だと論じた。
機関投資家側からも支持が出ている。DeFi Development Corp.は「これらの提案は、ソラナのより強固で持続可能な経済モデルに向けた意義ある一歩だと考えている」との声明を出した。
一方、反対の中心はバリデータの採算である。バリデータは収益の相当部分をインフレ報酬に依存しており、報酬が運用コストを下回ればバリデータセットから離脱せざるを得ない。提案書自身の試算でも、738のアクティブバリデータのうち1年目に2、2年目に13、3年目に30が採算割れになるとされる。(参考: Crypto Briefing「Solana proposal SIMD-0550 aims to cut $1.5B in future SOL emissions by doubling disinflation rate」)
2025年3月にSIMD-0228が否決された際も、小規模バリデータが発行削減に組織的に反対した経緯がある。今回の提案が発行カーブの構造には手を付けず変数1つの変更にとどめているのは、この反発を踏まえた設計とみられる。
支持ステークの3分の2をHeliusが単独で占め、そのHeliusが提案の起草元でもある点は、ガバナンスの偏りを指摘する材料にもなり得る。編集部の見方では、可決した場合でも「誰が変更を主導したか」という論点は残る(根拠: 支持の集中度と、提案者がHeliusのエンジニアであるという報道)。
投票後に残る論点
トークノミクスをめぐる議論は、この2本で終わらない。ヤコベンコ氏は8月15日、Xに「最も強気なSIMDはインフレを下げることではない。供給を増やして他社をSOLで買収し、その収益をバイ・アンド・バーンに組み込むことだ」と投稿し、発行削減とは別方向の選択肢を提示した。
これに対し、HeliusのCEOであるマート・ムムタズ氏は「バリデータ全員が会社の経営方法で合意できるとは、さぞ思えることだろう」と皮肉を込めて反応した。分散型ネットワークが事業体を保有・運営することの現実性を疑問視した形である。(参考: Crypto Times「Solana Founder Pitches Acquisition Strategy Tied to SOL Token Burns」)
価格面では、SOLは8月15日時点で75.47ドル、時価総額約440億ドルで推移した。直近7日間では1.2%高だが、2025年1月の最高値からは74%低い水準にある。
SIMD-0553のリソース手数料は3段階のフィーチャーゲートを経て終端レートに達する設計であり、可決してもバーン量が即座に9,000SOL規模になるわけではない。実際の効果はソラナ4.3リリースのタイミングと、その時点の取引量に左右される。
出典
- CoinDesk – A new Solana proposal would take daily SOL burns from $47,000 to $650,000
- Solana Compass – SIMD-0553 & SIMD-0550: Solana SOL Fee Burn and Disinflation Vote Closes
- Solana Compass – SIMD-0553 and SIMD-0550: Solana Burn and Disinflation Proposals Near 15% Vote Threshold
- Solana Compass – SIMD-0550 Proposes Doubling Solana’s Disinflation Rate, Cutting $1.5B in Future SOL Emissions
- Crypto Briefing – Solana proposal SIMD-0550 aims to cut $1.5B in future SOL emissions by doubling disinflation rate
- coinpaprika – Solana’s 14x SOL Burn Vote Enters Its Final Days Before an August 18 Deadline
- Crypto Times – Solana Founder Pitches Acquisition Strategy Tied to SOL Token Burns
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載した数値・日程は執筆時点で確認できた報道に基づくものであり、投票結果や実装の時期は変わる可能性があります。
なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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