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米イリノイ州、全米初の仮想通貨取引税を導入。0.2%課税に業界が強く反発

仮想通貨ニュース
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米イリノイ州のJBプリツカー知事は2026年6月中旬、総額559億ドル規模の2027会計年度予算に「デジタル資産税法(Digital Asset Tax Act、DATA)」を盛り込んで署名した。同法は2027年1月1日から施行され、仮想通貨の取引・移転・保管サービスに対して取引総額の0.2%を課税する。この種の取引ベースの課税を導入した州は全米で初めてとなる。

この記事のポイント

  • イリノイ州が全米初の仮想通貨取引税(DATA)を成立させた。2027年1月1日施行、税率0.2%。
  • 利益の有無にかかわらず、取引・送金・カストディのたびに課税される異例の設計。自己管理ウォレットへの移動も対象。
  • 業界団体は「米国で最も反暗号資産的な法律」と強く批判。ニューヨーク州のビットライセンス後のような企業流出を懸念する声も上がる。

デジタル資産税法の概要

イリノイ州議会は2026年6月、559億ドル規模の2027会計年度予算案を可決し、プリツカー知事が署名した。デジタル資産税法(DATA)はその歳入確保策の一つとして盛り込まれたもので、州の試算では年間約6,000万ドルの税収を見込む。

同法は仮想通貨の取引・移転・カストディ(保管)に関わる事業者に対し、取引総額の0.2%を「特権税(privilege tax)」として課す。適用対象はイリノイ州内に物理的拠点を持つ事業者、または過去12か月間でイリノイ州の顧客から10万ドル以上の収益を得ている事業者だ。(参考: CoinDesk「Crypto industry aghast at Illinois’ new tax on holding or transferring digital assets」

州全体の予算規模からすれば6,000万ドルは0.1%にも満たない水準だが、慢性的な財政圧力に直面するイリノイ州にとって、デジタル資産分野からの新たな歳入源として位置づけられている。

課税の仕組みと適用対象

DATAが従来の仮想通貨税制と根本的に異なるのは、利益の有無にかかわらず取引行為そのものに課税する点だ。従来の課税は売却益(キャピタルゲイン)に対する所得税が中心だったが、同法では損失が出ていても資産を動かすたびに0.2%のコストが生じる。(参考: Forbes「Illinois Will Tax Crypto Transfers At 0.2% Starting 2027」

課税対象となる行為は広く定義されており、以下が含まれる。

  • 取引所での売買・交換
  • 同一取引所内での口座間移動
  • 外部ウォレットへの出金
  • 自己管理(セルフカストディ)ウォレットへの送付
  • 他者への送金・贈与
  • 商品・サービスへの支払い

徴税義務は事業者側に課される。CoinbaseやKrakenなどの大手取引所がイリノイ州民にサービスを提供している場合、この課税対象に該当する可能性が高い。Forbesの試算によると、1,000ドル分のビットコインを取引所から自分のウォレットに移した場合に2ドルの税が生じ、さらに別の送金を行えばその都度課税が積み重なる「二重課税」の問題が生じる。

他の金融資産との比較

資産クラス イリノイ州の取引税(2027年以降) 備考
仮想通貨 0.2%(DATA) 取引・移転・保管のたびに課税。利益不問
株式 なし 州レベルの金融取引税は存在しない
債券 なし 同上
デリバティブ なし 同上

CoinDeskが指摘するように、イリノイ州は株式・債券・デリバティブに対しては同様の取引税を課していない。この非対称な課税構造が、業界が「差別的な措置」と批判する根拠の一つになっている。

業界の反発と主な批判

業界側の反発は即座かつ激しいものだった。業界団体のCrypto Council for Innovation(CCI)は声明で「前例のない課税体制を作り出すもので、イリノイ州の住民に不均衡な負担を強いる」と批判し、知事に対し予算の該当部分の差し戻しを求めた。(参考: PYMNTS「Illinois Gov. JB Pritzker Triggers Industry Backlash With Crypto Tax Law」

イリノイ・ブロックチェーン協会(Illinois Blockchain Association)も「夜陰に紛れて強行された懲罰的・差別的な措置であり、企業と雇用を競合する他州に追い出すことになる」と声明で述べた。

ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(a16z)でポリシー責任者を務めるマイルス・ジェニングス氏は、同法を「米国で最も反暗号資産的な法律の一つ」と評している。

批判の論点は主に三点に集約される。

批判点1
非対称な課税設計
株式・債券・デリバティブには同様の税がないにもかかわらず、仮想通貨だけが対象とされている。同じ金融取引として扱われないことへの不満が強い。

批判点2
利益不問の累積課税
損失局面でも取引のたびにコストが積み上がる。特に少額取引を頻繁に行う小口利用者や長期保有者への影響が大きい。

批判点3
自己管理の阻害
自分のウォレット間の移動にまで課税されることで、分散型金融(DeFi)の利用や自己管理型ウォレットへの移行が事実上ペナルティの対象になる。

ニューヨーク州の先例と企業流出懸念

業界内では2015年のニューヨーク州の「ビットライセンス(BitLicense)」が先例として引き合いに出されている。同制度は仮想通貨事業者に対する厳格な免許制度で、施行後に多くのスタートアップがニューヨーク州外に拠点を移した。(参考: Crypto Briefing「Illinois passes law to tax crypto transfers starting 2027」

イリノイ州でも同様の動きが起きるとの見方は多い。規制が緩やかなフロリダ州・テキサス州・ワイオミング州などへの移転を検討する事業者が出てくる可能性がある。コスト増を利用者に転嫁できない中小規模の事業者にとっては、特に打撃が大きい。

一方、ビットライセンスはその後、ニューヨーク州が段階的に要件を緩和した経緯もある。DATAについても、施行前に法改正・廃止・司法差し止めが実現するかどうかを業界は注視している。

今後の論点

イリノイ州議会は2026年の残り会期を終えており、近い将来の法改正が実現するとすれば、プリツカー知事が秋の拒否権行使会期(veto session)で該当条項を差し戻す場合に限られる。業界団体はその可能性を訴え続けているが、現時点で知事側からの公式コメントは出ていない。

BDOの分析によれば、同法は米国内で他に類を見ない課税設計であり、法的な異議申し立てが提起されても不思議ではないとされる。業界内では2027年の施行前に司法差し止め申請が行われる可能性も取り沙汰されている。(参考: BDO「Illinois Enacts Potentially Wide-Reaching Digital Asset Tax」

また、財政難の他州がイリノイ州の事例を参考に類似立法を検討するかどうかも、今後の注目点となる。全米初の試みとして、DATAの帰趨は米国における仮想通貨課税の方向性に大きな影響を与える可能性がある。

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。仮想通貨への投資にはリスクが伴い、元本を割り込む可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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