米指数算出大手のMSCIは2026年10月16日、主な資産が事業に使われていない「非事業会社」を株価指数に採用するかどうかの新しい判定基準を確定した。ビットコインを大量に保有する米Strategy(旧MicroStrategy)は除外対象になる可能性があり、同社株は同日の終値で前日比約9.5%下落した。
この記事のポイント
- MSCIは、暗号資産の保有比率50%以上で線を引く暫定措置をやめ、「事業資産の比率」と「5つの財務指標」で判定する新しい仕組みに置き換えた
- Strategyは以前から除外候補に挙がっていた。SharpLinkなど4社は監視リストに入る見通しと報じられている
- 影響を受ける企業の最終リストは11月11日に公表され、除外は11月30日の取引終了後に実施される予定
目次
MSCIが確定した非事業会社の判定基準
今回の決定は、非事業会社を指数に組み入れてよいかを問うMSCIの意見募集(コンサルテーション)の結果として公表された。これまでの暫定措置は、デジタル資産が総資産の50%以上を占める企業を対象にしていた。新しい基準はこれに代わり、暗号資産に限らず、事業に使われていない資産を中心に持つ企業を幅広く判定する。
判定は2段階で行う。まず「コア・スクリーン」で、事業資産(本業に使う資産)が十分にあるかを確認する。ここを通過できない企業は、5つの財務指標による「除外スクリーン」に回る。(参考: Investing.com「Strategy shares dip as MSCI adopts rules that could oust it from its indexes」)
8月の提案段階で示された基準は次のとおり。最終版で数値が変わったかどうかは、今回参照した報道では確認できていない。
用語の整理:MSCIの判定基準(8月の提案時点)
- コア・スクリーン:事業資産が総資産の半分を超えていれば、その時点で適格になる
- 事業資産の比率:事業資産が総資産の20%未満
- 費用の比率:営業費用の比率が5%未満
- キャッシュ創出力:営業キャッシュフローがマイナス
- 公正価値の変動:保有資産の評価額の変動が総資産の5%を超える
- 資本への依存度:資産の積み増しを調達資金に頼る比率が20%を超える
- 判定:5指標のうち4つ以上に該当すると、除外スクリーンで不適格になる
(参考: Crypto Briefing「MSCI could remove Strategy and Metaplanet from indexes in November」)
入れ替えが頻繁に起きないよう、緩和措置(バッファー)も設けた。指数にまだ入っていない企業は、直近2期の年次決算のどちらかで基準を満たさなければ新規採用されない。すでに入っている企業は、直近2期の両方で基準を満たさなかった場合にのみ除外される。データがあれば、直近の中間決算も考慮されることがある。(参考: Yahoo Finance「Strategy Shares Fall 3% as MSCI Introduces Index Eligibility Rules That Could Lead to Removal」)
暫定措置の撤回から最終決定までの経緯
MSCIは2026年1月、暗号資産トレジャリー企業(DATCO、暗号資産の保有を経営の柱とする上場企業)を2月の定期見直しで除外する案を見送った。その際、投資会社と非事業資産を持つ一般企業を分けるには「さらなる調査と市場参加者との協議が必要」と説明し、より広い枠組みで意見を募ると表明していた。今回の決定は、その協議の結果にあたる。(参考: Yahoo Finance(Reuters)「MSCI drops plan to exclude digital asset treasury firms, to launch broader review」)
2026年1月6日DATCOの除外案を見送り。より広い協議の実施を表明。Strategy株は時間外で約6%上昇
2026年5月MSCIの試算で、Strategy、メタプラネット、英Yellow Cakeが除外候補に
2026年8月3日非事業会社の適格性に関する意見募集を開始
2026年9月30日意見募集を締め切り
2026年10月16日新基準を確定。Strategy株は終値で約9.5%下落
2026年11月11日(予定)定期見直しの結果と影響企業の最終リストを公表
2026年11月30日(予定)取引終了後に変更を反映
(参考: TFTC「MSCI Index Rules Put Strategy, Bitcoin Treasury Firms at Risk」)
Strategy株の下落と関連銘柄の値動き
発表直後、Strategy株はプレマーケット(通常取引の前の時間帯)で約3%安だった。その後、通常取引では下げ幅が広がり、午後には一時約10.5%安となった。終値は136.72ドルで、前日比約9.5%の下落だった。(参考: Yahoo Finance「Why Strategy (MSTR) Stock Is Down Today」)
同じ記事によると、Strategyは848,250BTC(約696億7,000万ドル相当)を保有している。株価は年初来で12.9%下落しており、2025年10月につけた52週高値301.91ドルを54.7%下回る水準にある。
下げはStrategyだけではなかった。Investing.comが掲載した株価データでは、SharpLink(SBET)が7.46%安、DeFi Development(DFDV)が9.38%安、Ton Strategy(TONX)が2.55%安となった。同日はS&P500が1.09%、ナスダック総合指数が2.14%下落しており、株式市場全体の売りも重なった。ビットコインは約1%安の8万1,000ドル台で推移した。
Strategyの反論とパッシブ資金流出の試算
Strategyは提案の段階から強く反対してきた。マイケル・セイラー会長とフォン・リーCEOは、この案は暗号資産トレジャリー企業に対して「差別的」だと批判した。同社は9月にMSCIへ送った書簡で、提案が採用されれば「信頼できる中立的な指数算出機関としてのMSCIの評判を深く傷つける」と指摘した。一方で、自社の事業への実質的な影響はないとも述べている。(参考: Investing.com)
Strategyは8月14日にもX(旧Twitter)に「デジタル資産は資産である。指数算出機関は市場を測るべきであり、企業がどの資産を持ってよいかを決めるべきではない」と投稿していた。(参考: TFTC)
除外された場合の資金流出は、試算によって幅がある。
| 出所 | 内容 |
|---|---|
| Strategyの開示 | MSCIのGIMI(グローバル投資可能市場指数)に連動するファンドが約1,300万株(基本発行済み株式の約3.1%)を保有。1日の売買高に満たない量と説明 |
| JPモルガン(TFTCが引用) | 除外された場合、Strategy株に約28億ドルの機械的な売りが出ると試算 |
| アナリスト推計(Coinpaprikaなどが報道) | パッシブ資金の強制売却は最大約20億ドル |
Yahoo Financeは、これらの数字から実際にどれだけ売られるかは分からないと注意を促している。最終判断の内容や、各ファンドの運用方針によって変わるためだ。MSCI自身は流出額の見積もりを公表していない。(参考: Coinpaprika「MSCI Moves to Cut Strategy and Metaplanet, Risking $2 Billion in Outflows」)
11月11日の発表に向けた論点
今後の焦点は、11月11日に公表される影響企業の最終リストだ。Investing.comなどによると、Strategyは以前から除外候補とされてきた。SharpLink、Ton Strategy、Solana Company、DeFi Developmentの4社は、除外候補を集めた監視リストに入る見通しだという。監視リストに入っても、すぐに除外されるわけではない。
日本の読者にとって気になるのは、東証上場のメタプラネットの扱いだ。5月の試算ではStrategyと並んで除外候補に挙がっていた。ただ、今回の最終決定で同社がどの区分に入るのかは、参照した報道では確認できていない。
編集部の見方では、すでに指数に入っている企業には「2期連続で基準を満たさない場合に除外」という緩和措置がある。このため、除外の時期は各社の決算期によって変わる可能性がある(根拠: MSCIが公表したバッファーの規定)。指数から外れるとパッシブ資金の売りが出やすい。一方で、Yahoo Financeの別の分析が指摘するように、強制売却がそのまま長期的な株価下落につながるとは限らない。
今回の判断は、ビットコインを財務資産として積み増す企業を伝統的な株価指数でどう扱うかという、より大きな問題にも関わる。Strategyの株価はビットコイン価格と連動しやすい。そのため、11月の結果は暗号資産市場の需給を見るうえでも注目点の一つになる。
出典
- Investing.com「Strategy shares dip as MSCI adopts rules that could oust it from its indexes」
- Yahoo Finance「Strategy Shares Fall 3% as MSCI Introduces Index Eligibility Rules That Could Lead to Removal」
- Yahoo Finance「Why Strategy (MSTR) Stock Is Down Today」
- Yahoo Finance(Reuters)「MSCI drops plan to exclude digital asset treasury firms, to launch broader review」
- TFTC「MSCI Index Rules Put Strategy, Bitcoin Treasury Firms at Risk」
- Crypto Briefing「MSCI could remove Strategy and Metaplanet from indexes in November」
- Coinpaprika「MSCI Moves to Cut Strategy and Metaplanet, Risking $2 Billion in Outflows」
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の暗号資産や株式の購入・売却を勧める投資助言ではありません。暗号資産や関連銘柄への投資には価格変動などのリスクがあります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。


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