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ビットコイン、BIP-110で分岐。少数派チェーンは2ブロックで停滞

ビットコイン(BTC)
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ビットコインのブロックチェーンは8月8日(米国時間)、ブロック高961,632で二つに分かれた。ブロックチェーンへの金銭以外のデータ書き込みを一時的に制限する改善提案「BIP-110」を支持するノードが、賛成シグナルを出さないブロックの受け入れを拒否したためだ。分岐した少数派チェーンは2ブロックを生成した時点で停滞し、主要チェーンは通常どおりブロックを伸ばし続けている。

この記事のポイント

  • 必須シグナリング期間の開始と同時に分岐が発生した。マイナーの支持率は直近2,016ブロックで2.53%と、発動に必要な55%を大きく下回った。
  • 少数派チェーンはブロック高961,633で止まり、CoinDeskによれば分岐から約8時間で主要チェーンとの差は48ブロックに開いた。
  • ビットコイン価格は6万5,000ドル前後で大きな変動はなく、BIP-110チェーンに由来する新たな取引資産も生まれていない。

ブロック961,632で起きた分岐

分岐の起点となったのは、BIP-110があらかじめ定めた必須シグナリング期間の開始ブロック961,632だった。このブロックを採掘したのは大手マイニングプールのAntPoolで、賛成シグナルを含んでいなかった。主要チェーンはこれを受け入れたが、BIP-110を実装したノードは拒否し、別のブロックを採用した。

少数派側で対抗ブロックを採掘したのは、マイニングプールOCEAN経由で稼働していたRoughnecksだった。しかし少数派チェーンはブロック高961,633で止まり、8月8日午後6時(米東部時間)の時点で主要チェーンより7ブロック遅れていたとThe Blockは伝えた(参考: The Block「Bitcoin’s BIP-110 supporters split onto minority chain as main network pulls ahead」)。

直前の集計期間でBIP-110に賛成シグナルを出したブロックは2,016ブロック中51ブロック、比率にして2.53%だった。発動に必要な水準は2,016ブロック中1,109ブロック、55%である。差は20倍以上あり、シグナリング期間の終了ブロックである963,647までに条件を満たす見込みは立っていない(参考: CoinDesk「Controversial Bitcoin Fork BIP-110 Mines Two Blocks, Then Stops」)。

経緯

7月19日ストラテジー会長のマイケル・セイラー氏がBIP-110への反対を表明。

7月中マイニングプールOCEANが、既定でBIP-110に賛成シグナルを出す設定へ切り替え。

8月8日ブロック961,632で必須シグナリング期間が開始。BIP-110ノードがAntPoolのブロックを拒否し、チェーンが分岐。

8月9日少数派チェーンはブロック高961,633で停滞。Roughnecksが採掘の一時停止を発表。

8月10日Roughnecksが少数派チェーンでの採掘再開を表明。OCEANによるハッシュレート転用への批判が表面化。

BIP-110が制限しようとしたデータ

BIP-110は「Reduced Data Temporary Softfork」という名称の提案で、ビットコインの取引に埋め込まれる金銭以外のデータを約1年間だけコンセンサスルールで制限する内容だった。Decryptによると、具体的には大半の新規出力を34バイトまでに制限し、OP_RETURN出力に83バイトの上限を復活させ、一部のウィットネス要素を256バイトに抑え、インスクリプション(ブロックチェーンに画像や文字列を書き込む手法)に使われるTaproot機能の一部を一時的に制限するものだった(参考: Decrypt「What Is BIP-110 and Why Is It Dividing the Bitcoin Community?」)。

発動条件も定められていた。シグナリング期間中に55%のブロックが賛成を示せばブロック高963,648でロックインされ、965,664で新ルールが有効となり、52,416ブロック(およそ1年)にわたって適用される設計だった。ビットコインのソフトフォークで慣行とされてきた95%と比べ、55%というしきい値は低い。この点自体が分岐リスクを高めるという指摘が事前から出ていた(参考: AMINA Bank「Bitcoin Fork August 2026: BIP-110, eCash, Covenants and the Quantum Clock」)。

用語の整理

ソフトフォーク:従来より有効な取引の範囲を狭める方向のルール変更。旧ルールのノードから見ても新ルールのブロックは有効なままとなる。

シグナリング:マイナーがブロックに賛否を示す印を入れ、提案の支持率を測る仕組み。必須シグナリングでは、印のないブロックを新ルールのノードが拒否する。

OP_RETURN:取引に任意のデータを添えるための出力。従来から容量に上限が設けられてきた。

インスクリプション:Taprootなどの仕組みを使い、画像や文字列といった金銭以外のデータをブロックチェーンに記録する手法。Ordinalsの流行で利用が広がった。

賛成派と反対派の主張

反対の立場を早い段階で明確にしたのが、843,775BTC(7月19日時点で543億1,000万ドル相当)を保有するストラテジーのマイケル・セイラー会長だ。同氏は「提案されている治療法は、病状そのものより危険だ」と述べ、「ビットコインに必要なのは純粋性の守護者ではなく、中立性の守護者だ」と書いた。スパム対策はコンセンサスルールの変更ではなく手数料市場とリレーポリシーで対応すべきだというのが同氏の主張である(参考: CoinDesk「Michael Saylor Says New Plan to Clean Up the Blockchain Is a Bad Idea」)。

カストディ企業Casaのセキュリティ責任者Jameson Lopp氏は、主観的に望ましくないとされた取引を検閲する方向にプロトコルを変えられるという前例になる、と警告した。一方で提案の支持者は、金銭と無関係なデータがブロックチェーンを圧迫し、手数料の上昇とノード運用者の負担を招いていると訴えてきた。

論点 賛成派 反対派
問題の所在 金銭以外のデータがブロック容量を占め、手数料とノード負担を押し上げている 手数料を払う取引はすべて正当であり、用途で選別すべきではない
対処の手段 コンセンサスルールによる約1年間の一時的な制限 手数料市場とノードのリレーポリシーで対応する
55%というしきい値 95%は事実上の拒否権となり、変更を不可能にする 従来の慣行より低く、チェーン分岐の危険を高める
主な論者 Luke Dashjr氏、提案者のDathon Ohm氏 マイケル・セイラー氏、Jameson Lopp氏、Samson Mow氏

OCEANのハッシュレート転用と業界の反発

分岐の直後に別の問題が表面化した。マイニングプールOCEANが、BIP-110を選択していない設定のユーザーの計算能力を、およそ18時間にわたって少数派チェーン側へ振り向けていたと報じられたためだ。自分が選んだチェーンを採掘しているつもりだったマイナーが、実際には分岐チェーンを支えていたことになる。報道によれば、この経緯が明らかになった後、OCEANのハッシュレートは96%以上減少した。

ブロックストリーム最高経営責任者のアダム・バック氏はこの対応を容認できないと批判し、生じた損失をOCEAN共同創業者のLuke Dashjr氏の報酬から差し引くべきだと述べたと伝えられた(参考: Yahoo Finance「Bitcoin Miners Demand Ousting of OCEAN Leadership After BIP-110 Fork Disaster」)。

個々のマイナーの判断が結果を分けた面もある。BIP-110に賛成していたプールを経由しながら、自らはシグナルを出さない選択をしたSimple Miningは「ハッシュレートは偽装できない投票であり、我々はこの提案は追随に値しないと判断した」と説明した(参考: CoinDesk「Bitcoin Miner Rejects BIP-110 Despite Mining Through a Pool That Supported It」)。

PoW変更論と残された論点

提案の支持者は、次の手としてプルーフ・オブ・ワーク(PoW、採掘に用いる計算方式)の変更を検討している。提案の作成者であるDathon Ohm氏とLuke Dashjr氏がこの路線を推しており、Dashjr氏は「攻撃しているのはごく少数の悪意ある関係者だけだ。PoWの変更は彼らの脅威を取り除く」と述べた。PoWを変えれば現在の採掘設備は使えなくなるため、マイナー、ウォレット、取引所、利用者を一から揃え直す必要がある(参考: CryptoSlate「Bitcoin’s BIP-110 fork is back, but its backers want to replace the miners」)。

開発者コミュニティ内でも軋轢が生じている。BIP編集者のMark「Murch」Erhardt氏は、Dashjr氏を編集チームから外す案を示したと報じられた。

少数派チェーンには技術的な難点も残る。分岐時点の高い難易度をそのまま引き継いだ一方、計算能力はごくわずかしかない。CoinDeskは、難易度調整に必要な2,016ブロックの生成に約350日かかる計算になると伝えた。全体の0.15%程度のハッシュレートを前提とすれば25年程度になるとの試算もあり、前提の置き方によって幅がある。Roughnecksは8月10日、採掘の再開を表明したが、この難易度の問題自体は解消していない。

市場への波及は現時点では限定的だ。分岐後もビットコイン価格は6万5,000ドル前後で推移し、BIP-110チェーンに由来する資産が独立して取引される状況にもなっていない。編集部の見方では、今回の一件は価格材料というより、コンセンサスルールを誰がどう変えられるのかという統治の問題として記録されることになりそうだ。根拠として、賛成シグナルが2.53%にとどまった一方で、提案の是非をめぐる議論そのものは開発者、マイニングプール、事業者を巻き込んで数カ月続いてきた点が挙げられる。

出典

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産の取引には価格変動をはじめとする各種のリスクがあり、投資の判断はご自身の責任で行ってください。記載した価格や数値は各出典の公表時点のものです。

なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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