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ドイツ財務省、暗号資産の「1年保有で非課税」廃止へ草案。2027年以降の取得分は税率26.375%

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ドイツ連邦財務省が、暗号資産(仮想通貨)を1年超保有すれば売却益が非課税になる現行ルールを廃止する法案の草案をまとめた。2026年12月31日より後に取得した暗号資産の売却益は、保有期間にかかわらず株式と同じ25%の資本所得税(Abgeltungsteuer)の対象となる。独紙ディ・ヴェルト(Die Welt)が草案の内容を報じ、9月9日にかけてCoinDeskやCointelegraphなど各国の暗号資産メディアが相次いで伝えた。

この記事のポイント

  • 2027年1月1日以降に取得した暗号資産は、1年超保有しても非課税にならず、連帯付加税を含む実効26.375%で課税される。2026年末までに取得した分は現行ルールを維持する。
  • 暗号資産事業者による税の自動源泉徴収は2028年1月から。取得価額を証明できない場合は売却代金の50%を利益とみなす規定も盛り込まれた。
  • 財務省が見込む増収額は2028年に約1億6000万ユーロ。草案は政府内の事前調整の段階にあり、閣議決定や連邦議会の審議はまだ行われていない。

財務省草案の主な内容

草案をまとめたのは、社会民主党(SPD)党首で副首相を兼ねるラース・クリングバイル財務相が率いる連邦財務省だ。ビットコインやイーサリアムなど、交換手段として使われる暗号資産の売却益を「資本所得」に分類し直し、株式や投資信託と同じ課税の枠組みに移す。(参考: CoinDesk「ドイツ、ビットコインを株式と同様に課税へ 新草案が非課税の利益を対象に」)

税率は一律25%。これに5.5%の連帯付加税(所得税額に上乗せする付加税)が加わり、実効税率は26.375%となる。教会税の対象者はさらに上乗せされる。資本所得に適用される年1,000ユーロの貯蓄者控除(非課税枠)は維持され、暗号資産の損失は有価証券などほかの資本所得と通算できる。(参考: ルーゲ・フェーゼンフェルト法律事務所「2027年からの暗号資産課税 資本所得税に関する草案の具体的内容」)

新制度の対象は、2026年12月31日より後に取得した暗号資産に限られる。それまでに取得した分は既得権として保護され、現行ルールどおり1年超の保有で非課税となる。法律は2027年1月1日の施行を予定し、暗号資産事業者による自動源泉徴収はシステム対応の移行期間を置いて2028年1月から始まる。(参考: ヴィルトシャフツ・ヴォッヘ「ビットコインと暗号資産の保有期間ルール廃止 既得権保護や期限など」)

Cointelegraphなど一部の英語メディアは「2028年から課税」と報じた。一方、ドイツの法律事務所や経済誌の解説では、2028年は源泉徴収が始まる時期と整理されている。(参考: Cointelegraph「ドイツ財務省、2028年から25%の暗号資産課税を提案」)

ステーキング(保有する暗号資産をネットワーク運営に預けて報酬を得る仕組み)やレンディング(貸し出し)の収益も、従来の「その他の所得」から資本所得に移す。一方、NFT(非代替性トークン)、セキュリティトークン(有価証券をトークン化したもの)、一部のステーブルコイン、実物資産の価値を表すトークンは対象外とされた。

取得価額や取得日を証明する記録がない場合の扱いも定めた。ドイツの暗号資産メディア、CryptoTickerが引用した草案の文言によると、その場合は「売却収入の50%」を課税標準(税額計算の基礎となる金額)として源泉徴収する。売却代金の半分を利益とみなす計算になる。(参考: CryptoTicker(ドイツ語版)「暗号資産の保有期間ルール 草案は基準日を2026年12月31日に設定」)

現行制度と草案の比較

報道と専門家の解説をもとに、個人投資家の税負担にかかわる主な違いを表にまとめた。

項目 現行制度 草案(2027年以降の取得分)
所得の区分 私的譲渡所得 資本所得(株式と同じ扱い)
1年超保有した場合の売却益 非課税 25%+連帯付加税(実効26.375%)
1年以内の売却益 所得税の累進税率(最高45%) 保有期間にかかわらず同じ一律税率
非課税枠 年1,000ユーロ 貯蓄者控除1,000ユーロ
損失の通算 私的譲渡所得の範囲内 有価証券など他の資本所得とも通算可能
ステーキング・レンディング収益 その他の所得(累進課税) 資本所得
納税の方法 確定申告 2028年から事業者が源泉徴収

表のとおり、1年超保有する投資家の負担は非課税から26.375%に上がる。一方、1年以内の売買は最高45%の累進税率から一律税率に移るため、所得水準によっては負担が軽くなる。現行の短期売買の税率は、CoinCentralの報道に基づく。(参考: CoinCentral「ドイツ、2028年から25%の暗号資産課税を計画 1年保有の非課税ルールを廃止」)

保有期間ルールをめぐる廃止論議の経緯

ドイツでは、1年超保有した暗号資産の売却益が非課税になることから、長期保有に有利な国として知られてきた。このルールの見直しは、ここ1年余りで繰り返し議論されてきた。

2025年

連立協議で、SPDが保有期間ルールの撤廃と資本所得税の30%への引き上げを主張したが、合意には至らなかった。

2026年1月

EUの規則に基づき、暗号資産事業者から税務当局への顧客データの共有が始まった。

2026年4月末

クリングバイル財務相が、暗号資産の課税を見直す方針を表明した。2027年度予算の増収策の一つに位置付けたが、具体的な法案は示さなかった。

2026年5月

緑の党が提出した同じ趣旨の提案が、連邦議会で否決された。

2026年9月

財務省の草案の内容が報道で明らかになった。基準日は2026年12月31日で、それ以前の取得分は保護される。

2025年の連立協議については、Cryptopolitanが伝えた。同メディアは、保有期間ルールの撤廃案が18か月で4度目の試みであり、今回は予算パッケージに組み込まれている点がこれまでと異なると報じている。(参考: Cryptopolitan「ドイツのクリングバイル財務相、2027年予算で暗号資産非課税の廃止案を復活」)

税収見通しと与党・業界の反応

草案が見込む増収額は、2028年に約1億6000万ユーロ、2031年に年約3億5000万ユーロだ。ルーゲ・フェーゼンフェルト法律事務所は3億5000万ユーロに達する時期を2030年としており、到達年は資料によって異なる。

この試算は、これまでに示された数字を大きく下回る。CryptoTickerによると、フランクフルト・スクール(金融系の大学)は2025年に114億ユーロの税収効果を試算していた。4月には20億ユーロという数字も伝えられた。CoinCentralは、この20億ユーロを暗号資産課税を含む増収策全体の規模としている。

業界団体のビットコイン連邦協会(Bitcoin Bundesverband)は、114億ユーロの試算に対し、データの出所やサンプルの代表性、誤差の幅など15項目の質問を示していた。CryptoTickerは、2027年度の連邦予算案の歳出が5554億ユーロ、中核予算の新規借入が1187億ユーロであると指摘し、財政全体に対する増収効果の小ささを伝えている。(参考: CryptoTicker「ドイツの暗号資産課税 5550億ユーロ予算に対し1億6000万ユーロ」)

財務省は、草案の理由書で課税の狙いを「暗号資産で利益を得る者も、今後は同様に公共の財政を支える役割を担うべきだ」と説明している。この一文は、経済誌ヴィルトシャフツ・ヴォッヘが伝えた。

一方、連立を組むキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)は、保有期間ルールの維持を求めてきた。CryptoTickerによると、CDUの財政担当議員オラフ・グッティング氏は、新制度では短期売買の負担が軽くなり、長期保有の負担が重くなると述べた。投機を抑えるという本来の狙いと逆の結果になるという指摘だ。

ドイツは、EUの暗号資産市場規則(MiCA)に基づく事業者認可の件数が域内で最も多い国でもある。CoinCentralによると、8月時点の認可事業者は79社にのぼる。同メディアは、ブロックチェーン分析企業チェイナリシスが2025年の課税対象となり得るオンチェーン取引を241億ドルと推計したことも伝えている。

日本の20%分離課税との違い

日本は逆方向の改正を進めている。令和8年度税制改正で、暗号資産の利益を雑所得(最高税率55%の総合課税)から、株式と同じ20%の申告分離課税に移すことが決まった。対象は「特定暗号資産」の現物、投資信託、デリバティブの取引で、損失の3年間の繰越控除も認められる。適用は金融商品取引法の改正が前提となり、2028年からの見込みとされる。(参考: 大和総研「暗号資産取引に20%の申告分離課税導入へ」)

項目 日本 ドイツ(草案)
現行制度 雑所得として総合課税(最高55%) 1年超保有で非課税、1年以内は累進課税(最高45%)
見直し後 20%の申告分離課税 25%の資本所得税(実効26.375%)
長期保有者への影響 負担は軽くなる 負担は重くなる(2027年以降の取得分)
開始時期 2028年の見込み(金融商品取引法の改正が前提) 2027年施行予定、源泉徴収は2028年から
現在の段階 税制改正で導入が決定済み 政府内の事前調整(閣議決定前)

編集部の見方では、日独とも暗号資産を株式などの金融商品と同じ枠組みで課税する方向に向かっている。根拠は、日本が株式並みの20%分離課税を採用し、ドイツも株式と同じ資本所得税の枠組みに移そうとしている点だ。ただし出発点が違うため、日本では多くの投資家の負担が下がる一方、ドイツでは長期保有者の負担が上がる。

立法手続きと今後の論点

草案は現在、首相府と関係省庁による「事前調整」の段階にあり、閣議決定も連邦議会への提出もまだ行われていない。成立には、閣議決定のあと連邦議会での3回の読会と、州の代表で構成する連邦参議院での審議が必要となる。草案の全文も、報道時点では公表されていない。(参考: Kryptorevolution「速報:暗号資産の保有期間ルール廃止へ、旧来の取得分は保護」)

今後の主な論点は次の3つだ。

  • 連立内の合意:保有期間ルールの維持を求めてきたCDU/CSUが草案を受け入れるかどうか。過去の撤廃案は、連立協議や連邦議会で退けられてきた。
  • 取得記録の管理:取得日や取得価額を証明できない場合、売却代金の50%が利益とみなされる。2026年末までの取得分と2027年以降の取得分を区別して記録することが、税負担に直結する。
  • 制度の細部:基準日、対象外とするトークンの範囲、源泉徴収の運用などは、今後の調整や審議で変わる可能性がある。

編集部の見方では、今回の草案は過去の撤廃案と比べて成立の可能性が高い。根拠は、財務省の法案草案として具体的な基準日と既得権保護を示し、2027年度予算の増収策にも位置付けられているためだ。ただし、連立与党の合意や議会審議の行方は確認できていない。最終的な内容は、閣議決定後の政府案で判断する必要がある。

出典

免責事項

本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言や税務助言ではありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。税制の適用は個別の状況によって異なるため、具体的な判断は税理士などの専門家にご相談ください。記事の内容は執筆時点の報道に基づいており、草案の内容は今後変わる可能性があります。

なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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