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米ブロック、ビットコイン保管の信託銀行設立をOCCに申請。50州免許を連邦一本化へ

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米決済企業ブロック(Block)は9月8日、ビットコインとステーブルコインの保管を担う国法信託銀行「Builders Bank & Trust, N.A.」の設立を米通貨監督庁(OCC)に申請したと発表した。承認されれば、同社が50を超える州の免許のもとで運営してきたデジタル資産の保管業務が、連邦単一の監督下に移る。(参考: StockTitan・Block Applies to Establish Builders Bank, a National Trust Bank)

この記事のポイント

  • ブロックは9月8日、預金保険に加入しない国法信託銀行「Builders Bank & Trust」の設立をOCCに申請したと公表した。預金の受け入れと融資は行わない。
  • 狙いは50州超のマネートランスミッター免許にまたがる保管業務を、連邦の単一監督に統合することにある。
  • OCCは2025年12月以降、暗号資産企業の信託銀行免許を相次いで条件付き承認しており、中小銀行団体は反対を続けている。

申請の概要とBuilders Bankの業務範囲

ブロックはSquare、Cash App、ハードウェアウォレットのBitkeyを手がける米上場企業で、共同創業者はジャック・ドーシー氏である。今回の申請対象であるBuilders Bank & Trustは、預金保険に加入しない(uninsured)国法信託銀行として設立され、承認後はOCCの監督下でビットコインとステーブルコインのカストディ(保管・管理)および関連する信託業務を提供する。

預金の受け入れと融資は行わない。米銀行専門紙アメリカン・バンカーによると、この免許はブロックが既に保有する産業融資会社(ILC)免許、すなわちSquare Financial Servicesを支える枠組みとは別建てで運営される。(参考: American Banker・Block seeks national trust charter to offer crypto custody)

暗号資産メディアのDecryptは、申請書に記載された業務範囲として、デジタル資産の保管に加え、顧客の売買注文をリスクレス・プリンシパル(自己勘定を介在させるが価格変動リスクを負わない取次形態)で執行することと、ステーブルコインの決済が含まれると報じた。(参考: Decrypt・Jack Dorsey’s Block Applies for Bank Charter to Custody Bitcoin)

新銀行の社長兼CEOに就任予定のリー・ウーリー(Lee Woolley)氏は、ノーザン・トラストやBNYメロンで上級職を務めた銀行実務の経験者で、現在はブロックのデジタル資産戦略を統括している。同氏は発表資料で「ブロックのデジタル資産分野での経験、Square Financial Servicesでの実績、そして我々が集めたチームの深い銀行実務の知見を基礎に、Builders Bankはブロックのより広い『経済的エンパワーメント』というビジョンを支える good な立場にあると考えている」と述べた上で、「ブロックとその顧客の資産を安全に保管するための免許取得に向けて、OCCと協働していくことを楽しみにしている」とコメントしている。

用語の整理

国法信託銀行(national trust bank)
OCCが免許を与える連邦レベルの信託専業銀行。預金業務を行わず、資産の保管や受託業務を中心とする。
OCC(米通貨監督庁)
米財務省の外局で、国法銀行の免許付与と監督を担う当局。
マネートランスミッター免許
米国で送金や資産の預かりを行う事業者が州ごとに取得する免許。全米展開には各州での取得・維持が必要になる。
連邦専占(federal preemption)
連邦法・連邦免許が州法の適用に優先する仕組み。国法銀行になると、州ごとの免許制度に個別対応する必要が原則なくなる。

50州の免許から連邦単一監督への統合

ブロックは約8年にわたり、50を超える州のマネートランスミッター免許および仮想通貨関連免許のもとでデジタル資産サービスを提供してきた。Decryptによると、2025年のビットコイン取引高は約107億ドル、Cash Appの暗号資産利用者は第2四半期時点で月間約200万人だった。

州ごとの免許は、報告・検査・資本要件がそれぞれ異なる。連邦免許を得れば、これらを一つの監督体制に置き換えられる。これが今回の申請の実務的な動機だと複数の媒体が伝えている。

アメリカン・バンカーが伝えたキーバンク・キャピタル・マーケッツ(KBCM)のアナリストの見方は、より踏み込んだものだ。同社アナリストは「ブロックは多くの場合すでに自社でビットコインを自己保管している。したがって今回の免許は主として、州ごとのパッチワーク規制ではなく連邦規制のレベルで規模を拡大するための連邦専占が目的だろう」と指摘した。

なお、ブロックの自己保管型ハードウェアウォレットBitkeyは今回の申請の対象外である。Builders Bankは個人向けというより、連邦監督下の保管の受け皿として設計されているとみられる。

OCCの信託銀行免許ラッシュと3月の規則改正

ブロックの申請は、暗号資産企業による連邦免許取得の流れの延長線上にある。2025年末以降、OCCは複数の暗号資産関連企業に対して国法信託銀行免許の条件付き承認を出してきた。

これまでの経緯

2025年12月12日

OCCが5社の国法信託銀行免許を条件付き承認。サークルの First National Digital Currency Bank とリップルの Ripple National Trust Bank は新設、パクソス、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツは州免許からの転換だった。コインベースとストライプ傘下ブリッジはこの時点では含まれなかった。
2026年3月2日

OCCが国法銀行免許規則の改正を最終化。国法信託銀行の業務を「信託業務(fiduciary activities)」から「信託会社の業務およびこれに関連する活動」へと文言を置き換え、保管・保護預りなど非信託的業務を行えることを明確化した(施行は4月1日)。
2026年4月2日

OCCがコインベースの申請を条件付き承認。中小銀行団体ICBAが同日、反対声明を出した。
2026年9月8日

ブロックがBuilders Bank & Trustの設立申請を公表。Decryptは申請自体は9月4日付だったと報じている。

Decryptによれば、OCCはこれまでにサークル、リップル、ビットゴー、フィデリティ・デジタル・アセッツ、パクソス、Crypto.com、ブリッジ、コインベースの8件について条件付き承認を出しており、モルガン・スタンレー、ペイオニア、ゼロハッシュ、クラーケンの親会社ペイワード、ワールド・リバティ・フィナンシャルの申請が審査中とされる。

2026年3月の規則改正は、この流れを制度面から後押しした。OCCの発表資料によると、改正は国法信託銀行が非信託的な保管業務を行える点を明確にする一方、信託業務を最低限どれだけ行う必要があるかという論点には結論を出していない。(参考: OCC・National Bank Chartering: Final Rule(Bulletin 2026-4))

銀行業界の反対とOCCの立場

一連の承認に対し、米独立コミュニティ銀行協会(ICBA)は一貫して反対の立場を取ってきた。コインベースへの条件付き承認が出た2026年4月2日、ICBAのレベッカ・ロメロ・レイニー会長兼CEOは「本日のコインベースの信託免許申請の条件付き承認は、米国の消費者をリスクにさらすだけの重大な誤りだ」との声明を出した。(参考: ICBA・ICBA Opposes OCC Approval of Coinbase’s National Trust Bank Charter Application)

ICBAは、リスク管理体制の不備、収益性、破綻処理の想定といった個別の審査上の問題に加え、銀行持株会社法などの健全性規制の対象外にある無保険の信託銀行が暗号資産業務を行うこと自体に制度上の問題があると主張している。

一方、OCCのジョナサン・グールド長官は2025年12月の5社承認時に「連邦銀行セクターへの新規参入は、消費者にとっても、銀行業界にとっても、経済にとっても好ましい」と述べ、さらに「保管や保護預りのサービスは何十年も電子的に行われてきた。デジタル資産だけを別扱いする理由は単純に存在しない」と説明した。OCCは、他の免許申請と同じ基準で審査していると強調している。(参考: Banking Dive・OCC green-lights Circle, Ripple, Paxos for national trust bank charters)

論点 OCC・申請企業側の主張 ICBAなど銀行業界側の主張
デジタル資産の保管 電子的な保管は長年行われており、デジタル資産を別扱いする理由はない 暗号資産固有のリスク管理・破綻処理の枠組みが確立していない
免許の性格 非信託的な保管業務は信託銀行の業務範囲に含まれる(2026年3月の規則改正で明確化) OCCに非信託的な業務範囲を拡張する法的権限があるか疑問がある
規制上の均衡 新規参入は消費者・銀行業界・経済にとって好ましい ノンバンクが銀行持株会社法などの義務を負わずに銀行免許の便益だけを得ている

審査で残る論点

申請はOCCの審査中であり、Builders Bankは必要な承認を得るまで業務を開始しない。承認の可否と時期は現時点で確定していない。ビットコイン専門メディアTFTCは、ワールド・リバティ・フィナンシャルの条件付き承認までに約220日を要した例を挙げ、審査期間には幅があると指摘している。(参考: TFTC・Block Files OCC Charter for Builders Bank)

編集部の見方では、注目点は三つある。第一に、承認が出た場合の条件の内容だ。OCCの条件付き承認には資本や運営体制に関する個別条件が付されるのが通例で、その水準が後続の申請の基準になり得る。

第二に、ICBAが提起した「信託業務を最低限どれだけ行う必要があるか」という論点である。OCCは3月の規則改正でこの点に結論を出しておらず、保管中心の事業モデルがどこまで認められるかは未解決のまま残っている(根拠: OCCの最終規則に関する法律事務所の解説および同庁の発表資料)。

第三に、ブロックが既にILC免許を持つ点だ。ILCと国法信託銀行という性格の異なる二つの免許を並行して運営する体制が審査でどう評価されるかは、現時点の公開情報からは確認できていない。

日本では、他人のために暗号資産を管理する事業者は資金決済法上の暗号資産交換業の登録対象とされており、保管専業の事業者も規制の枠内に置かれている。米国のように保管業務のための連邦免許を別途取得するという構図とは制度の作りが異なる。今回の申請は、米国が州ごとの免許制から連邦監督への集約に向かう過程を示す一例といえる。

出典

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を割り込む可能性があります。投資の判断はご自身の責任で行ってください。なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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