サムスン電子は7月22日、ロンドンで開いた新製品発表会「Galaxy Unpacked 2026」で、Galaxy端末に標準搭載されるアプリ「Samsung Wallet」にステーブルコインのネイティブ対応を追加すると発表した。発表資料の画面にはサークル(Circle)が発行するUSDCが表示されたが、提携の有無や対応ブロックチェーン、提供開始時期は公表されていない。
この記事のポイント
- サムスンは7月22日、Samsung Walletが現金やカードに加えてステーブルコインを扱う方針を明らかにした。
- 画面にはUSDCが映ったが、発行体との提携、対応ネットワーク、カストディ方式、対象国、提供時期はいずれも未発表のままである。
- サムスンの2025年のスマートフォン出荷は約2億4,120万台とされ、実装方法しだいで特定のステーブルコインが標準の選択肢になり得る。
目次
Galaxy Unpackedでの発表内容とGalaxy Card
発表でサムスンの製品マネージャー、リー・ディンハム(Lee Dinham)氏は「Samsung Walletは現金や預金の枠を超えて広がる。ステーブルコインを含む、新しい形のデジタル価値を取り込む」と述べた。同氏は、これによりサムスンが「ネイティブのステーブルコイン機能を提供する最初の主要スマートフォンブランドの一社」になるとも説明している(参考: Decrypt「Samsung Wallet Will Add Stablecoin Support, Including USDC」)。
Samsung Walletはタッチ決済やクレジットカード、搭乗券、ポイントカードをまとめて扱うアプリで、Galaxy端末にあらかじめ導入されている。ステーブルコインが同じ画面に並べば、利用者にとってはアプリを新たに入れる作業ではなく、設定を有効にする操作に近づく。
同じ発表会では、サムスン初の米国向けクレジットカード「Galaxy Card」も公開された。発行はバークレイズ、決済ネットワークはVisaで、利用額に応じた段階的なキャッシュバックが付く(参考: Crypto Briefing「Samsung Wallet to support stablecoins, including USDC」)。
発表に至る経緯
2025年サムスンがコインベース(Coinbase)との提携を発表。Decryptによると、米国のGalaxy利用者約7,500万人がコインベースのサービスに端末から接続できる状態になった。
2026年7月22日ロンドンのGalaxy Unpacked 2026で、Samsung Walletのステーブルコイン対応とGalaxy Cardを公表。画面のモックアップにUSDCが表示された。
7月27日時点発行体との提携、対応ネットワーク、対象国、提供開始時期はいずれも未公表。サークルが正式なパートナーであるかも確認されていない。
確認できた事項と未確定の事項
今回の発表は方針の表明にとどまり、仕様は明らかにされていない。報道各社が確認できた点と、未公表の点を整理すると次のようになる。
| 項目 | 現時点の内容 |
|---|---|
| 対応方針 | Samsung Walletがステーブルコインをネイティブに扱うと表明(確認済み) |
| 表示された銘柄 | モックアップ画面にUSDC(確認済み。ただし提携は未確認) |
| 発行体・提携先 | 未公表 |
| 対応ブロックチェーン | 未公表 |
| カストディ方式 | 自社保管か利用者自身の管理かを含め未公表 |
| 対象国・提供時期 | 未公表 |
CryptoSlateは、送受金や保有、支払いまでをウォレット内で完結させる「ネイティブな導線」になるのか、外部事業者へ資金を橋渡しするだけの機能にとどまるのかで、影響の大きさは大きく変わると指摘した。同記事は、サムスンが利用者との接点を自社に残すのか提携先に委ねるのかも開示されていないとしている(参考: CryptoSlate「Samsung Wallet’s stablecoin plan could redraw crypto distribution」)。
出荷2億台超という配信網の意味
今回の発表が注目される理由は、機能そのものよりも配信網の規模にある。FinanceFeedsによると、サムスンの2025年のスマートフォン出荷台数は約2億4,120万台で、Samsung Walletはこれらの端末に標準搭載されている。
ステーブルコインの発行体にとって、端末に最初から入っているアプリで既定の選択肢になることは、これまで確保が難しかった一般利用者への到達経路を意味する。仮にUSDCが採用されれば、サークルにとっては大きな配信上の獲得になると報じられている(参考: FinanceFeeds「Samsung Wallet to Add Stablecoins to 241M Galaxy Phones」)。
一方で、数字の扱いには注意が必要になる。一部で引用される「8億台」はサムスンが2026年末までにGalaxy AI対応端末を届ける目標値であり、Samsung Walletの利用者数でも、ステーブルコイン機能の対象台数でもないとCryptoSlateは説明している。
アップルの現状との違い
アップルのWalletには、クレジットカードや交通系パス、デジタルIDと並ぶ形の「ステーブルコインの残高」は用意されていないと報じられている。iPhoneの利用者がステーブルコインを扱う場合、App Storeで配布される外部のウォレットアプリや、暗号資産を裏付けとしたカードを経由するのが現状である(参考: QUASA「Samsung Adds Stablecoin Support to Wallet — While Apple Still Holds Back」)。
編集部の見方では、サムスンの発表が実際に競争環境を変えるかどうかは、仕様の開示と提供開始の時期に左右される。根拠は、現時点で対象国も時期も示されておらず、機能の中身が「保有と支払い」まで含むのか判断できないためである。
米欧の規制枠組みと韓国のステーブルコイン法制
用語の整理
- ステーブルコイン: 米ドルなど法定通貨の価値に連動するよう設計された暗号資産。
- USDC: 米サークルが発行するドル連動型ステーブルコイン。時価総額で2番目の規模とされる。
- カストディ: 資産の保管方式。事業者が鍵を管理する方式と、利用者自身が管理する方式がある。
- GENIUS法: 2025年に成立した米国の法律で、決済用ステーブルコインの発行体や準備資産、保管に関する枠組みを定める。
- MiCA: EUの包括的な暗号資産規制。発行体の登録や準備金の要件を課す。
CryptoSlateは、スマートフォン企業がステーブルコインを扱う前提として、米国のGENIUS法、EUのMiCA、金融安定理事会(FSB)が示す償還や健全性に関する勧告があり、これらが対象国ごとの提供可否を左右すると整理している。
本社を置く韓国でも法整備が進む。The Crypto Timesによると、与党の共に民主党と金融委員会(FSC)は7月20日にソウルの国会議員会館で協議し、ウォン建てステーブルコインを合法化・規制する「デジタル資産基本法」を9月に再提出し、関連の小委員会を月2回開く方針で合意した(参考: The Crypto Times「South Korea Targets September for Won Stablecoin Bill」)。
同法案はデジタル資産を「一般型」と「資産連動型」に区分し、ステーブルコインを含む資産連動型には免許、準備金の維持、償還義務といった厳しい要件を課す内容と報じられている(参考: Crypto Briefing「South Korea plans Digital Asset Basic Act」)。
今後の論点
第一に、どの発行体とどのネットワークを採用するかである。既定の選択肢に選ばれた銘柄と基盤チェーンには、利用者との接点が集中する。
第二に、カストディの設計である。サムスン側が鍵を管理するのか、利用者が自身で管理するのかによって、必要な登録や免許、対象国が変わる。
第三に、提供時期と対象国の範囲である。米国、EU、韓国では適用される規則が異なり、段階的な展開になる可能性がある。現時点でサムスンはいずれについても説明しておらず、確認できていない。
出典
- Decrypt — Samsung Wallet Will Add Stablecoin Support, Including USDC
- Crypto Briefing — Samsung Wallet to support stablecoins, including USDC
- CryptoSlate — Samsung Wallet’s stablecoin plan could redraw crypto distribution
- FinanceFeeds — Samsung Wallet to Add Stablecoins to 241M Galaxy Phones
- The Crypto Times — South Korea Targets September for Won Stablecoin Bill
- Crypto Briefing — South Korea plans Digital Asset Basic Act
- QUASA — Samsung Adds Stablecoin Support to Wallet While Apple Still Holds Back
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を失う可能性があります。取引の判断はご自身の責任で行ってください。
なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。


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