PR

米上院、クラリティ法案の採決を9月に延期。倫理規定めぐり与野党が対立

仮想通貨ニュース
記事内に広告が含まれています。

米上院のジョン・チューン院内総務(共和党)は8月6日、暗号資産の市場構造を定める「デジタル資産市場クラリティ法案(CLARITY Act、H.R.3633)」の本会議採決を夏季休会前に行わず、9月に持ち越すと認めた。上院は8月8日から休会に入り、本会議が再開するのは9月14日となる。

この記事のポイント

  • チューン院内総務は8月6日、クラリティ法案の採決を9月に先送りすると表明。上院の再開は9月14日で、それまで審議は止まる。
  • 争点は倫理規定、資金洗浄対策、ステーブルコインの利回り提供の3点。可決には60票が必要だが、共和党の議席は53にとどまる。
  • 予測市場Polymarketの「2026年中の成立」予想は8月7日時点で14%まで低下した。5月には70%を超えていた。

採決見送りの決定とチューン院内総務の説明

クラリティ法案は、暗号資産を証券として証券取引委員会(SEC)が監督するのか、商品として商品先物取引委員会(CFTC)が監督するのかという分類の線引きを法律で定めるものだ。取引所の運営基準や顧客資産の分別管理に関する規定も含み、米国の暗号資産規制の土台と位置づけられてきた。

チューン院内総務は採決見送りについて「民主党側はクラリティの採決を行わないと言って譲らない」と述べたうえで、「法案の提出者たちと調整してきた。ルミス上院議員は非常によくやってくれた。休会明けの最優先で準備を進める」と語った(参考: CoinDesk・Senate won’t vote on crypto Clarity Act before its summer break)。

採決の先送りは、米政治メディアPoliticoの記者ジョーダン・カーニー氏が8月7日に報じ、チューン氏本人が認める形で確定した。日本語メディアもこれを伝えている(参考: CoinPost・米クラリティー法案、上院採決が9月まで延期=報道)。

用語の整理

市場構造法案:暗号資産の分類・監督官庁・取引所規制などを包括的に定める法律案。ステーブルコインに限定した法律(GENIUS法)とは別枠組み。

討論終結動議(クローチャー):上院で審議を打ち切り採決に進むための手続き。可決には100議席中60票が必要で、少数党が引き延ばす余地を残す。

H.R.3633:クラリティ法案の下院での法案番号。下院を通過した法案が上院に送られ、上院で修正されれば下院で再度採決される。

60票の壁と3つの未解決論点

上院で法案を通すには討論終結に60票が必要になる。共和党の議席は53であり、少なくとも7人の民主党議員の賛成が欠かせない。CoinDeskは、複数の共和党議員が公然と反対を表明しており、現時点で50票を確保できているかも定かではないと伝えた。

交渉が難航しているのは主に3点だ。第一に公職者の暗号資産保有をめぐる倫理規定、第二に資金洗浄・不正金融への対策、第三にステーブルコインの利回り提供(保有者への報酬付与)の扱いである。CoinPostによると、民主党のルーベン・ガレゴ上院議員は共和党側の譲歩がなければ討論終結動議に応じない姿勢を示している。

争点 推進側(共和党・業界)の立場 慎重側(民主党・一部共和党)の立場
倫理規定 ルミス氏がまとめた文言でトランプ大統領も同意済みとされる 公職者と配偶者によるトークン発行の禁止、大統領の事業売却まで求める
資金洗浄対策 既存の法執行手段で対応可能との立場 不正金融に対処する法執行ツールの追加を要求
ステーブルコインの利回り 取引所等を通じた報酬付与を認めるべきだとする 銀行預金からの資金流出を懸念する銀行業界が反対

倫理規定をめぐるガレゴ・ティリス両氏の対案

最大の障害となっているのが倫理規定だ。背景には、トランプ大統領が2025年分として10億ドルを超える暗号資産関連収入を開示した経緯がある。上院ではシンシア・ルミス議員(共和党)がまとめた倫理条項に大統領が同意したとされるが、民主党と一部の共和党議員はより厳格な内容を求めた。

The Blockによると、トム・ティリス議員(共和党)とルーベン・ガレゴ議員(民主党)は7月下旬、公職者とその配偶者によるデジタル資産の発行・後援を禁じ、州司法長官が執行できるようにする対案をホワイトハウスに送付した。この案にはトランプ大統領に暗号資産関連事業からの資産分離を求める内容も含まれるが、公の回答は確認されていない(参考: The Block・Senate delays Clarity Act vote until after August recess)。

法案審議の経緯

2025年7月17日下院がH.R.3633を294対134の賛成多数で可決。

2026年5月14日上院銀行委員会が15対9で可決。民主党からはガレゴ議員とアンジェラ・アルソブルックス議員が賛成に回った。

2026年7月下旬ティリス・ガレゴ両議員が倫理規定の対案をホワイトハウスに提示。

2026年8月6日チューン院内総務が休会前の採決見送りを認め、9月への持ち越しを表明。

下院通過から上院委員会可決まで約10か月、そこから本会議の採決までさらに3か月近くが経過している(参考: CoinDesk・Clarity Act clears U.S. Senate committeeCNBC・Crypto industry scores win as Clarity Act clears Senate hurdle)。

予測市場と業界団体の反応

予測市場Polymarketの「クラリティ法案が2026年中に成立するか」という市場では、8月7日時点の予想確率が14%まで低下した。5月には70%を超えていた水準で、期限が過ぎるたびに成立期待が後退した形だ。

業界団体からは落胆の声が出た。Digital Chamberのコーディ・カーボンCEOは今回の先送りを残念だとしたうえで「戦いはまだ終わっていない」と述べた。Crypto Council for InnovationのJi Hun Kim CEOも「失望している」としつつ、包括的な市場構造法制への支持は変わらないと表明している。

市場価格への直接の影響は限定的だった。ビットコインは8月7日時点で約6万4,900ドルと、6万2,000〜6万6,000ドルのレンジ内で推移している(参考: TheStreet・Bitcoin price today: August 7, 2026)。編集部の見方では、採決先送りは7月下旬の段階で既に一定程度織り込まれていたと考えられる(根拠: CoinDeskが7月23日の時点で休会前の審議入りは見送られる見通しだと報じていたこと)。

9月以降の日程と中間選挙という制約

上院が戻るのは9月14日で、討論終結動議が提出されれば早ければ9月15日から16日に最初の手続き投票が行われる可能性がある。ただし議会関係者はCoinDeskに対し、9月と10月に残る作業日は14日しかないと指摘した。

CoinDeskは8月5日の記事で、手続き投票が否決された場合、法案の審議は11月の中間選挙後まで止まり、その後の展開は上下両院のどちらの党が多数を握るかに左右されるとの見方を示した(参考: CoinDesk・Here are the possible outcomes for Clarity right now)。

一方、同記事で紹介された議会スタッフの見解では、残る論点が整理されれば9月の可決自体は十分あり得るという。倫理規定でホワイトハウスがティリス・ガレゴ案にどう応じるかが、9月中旬以降の展開を左右する分岐点になる。日本の事業者にとっても、SECとCFTCの管轄が法律で確定するかどうかは、米国拠点の取引所やカストディ事業者との取引条件に関わる論点として残る。

出典

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産の取引には価格変動リスクがあり、投資判断は自己責任で行ってください。記載した価格・確率・法案の進捗は執筆時点の公開情報に基づくもので、その後変動する可能性があります。

なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

コメント