暗号資産取引所のCrypto.comは2026年7月16日、米大手マーケットメイカーのCitadel Securitiesから4億ドル(約590億円相当)の戦略的出資を受けたと発表した。今回の出資でCrypto.comの評価額は200億ドルとなり、2016年の創業以来初めての機関投資家による資金調達ラウンドとなる(参考: PR Newswire・Crypto.com Announces $400 Million Strategic Investment from Citadel Securities)。
この記事のポイント
- Citadel SecuritiesがCrypto.comに4億ドルを出資。評価額は200億ドルで、創業10年で初の機関投資家ラウンドとなった
- 資金はトークン化証券やデリバティブなど「全資産クラス」への事業拡大に充てられる
- ICEやナスダック、ドイツ取引所なども取引所への出資を進めており、伝統的金融による暗号資産インフラ投資が広がっている
4億ドルの戦略出資と評価額200億ドル
発表によると、出資額は4億ドルで、Crypto.comの企業価値は200億ドルと評価された。シンガポールを拠点とする同社にとって、外部の機関投資家から資金を調達するのは創業以来初めてとなる(参考: CoinDesk・Crypto.com lands $400 million investment from Citadel Securities at $20 billion valuation)。
Crypto.com共同創業者兼CEOのクリス・マルシャレク氏は声明で「Citadel Securitiesとともに、暗号資産業界を機関投資家化の新時代へと導き続けられることを嬉しく思う」と述べた。CoinDeskによると、同氏は「暗号資産が金融のレール(基盤)になりつつある今、目の前にある機会の大きさは途方もない」ともコメントしている。
出資側のCitadel Securities社長ジム・エスポジト氏は「伝統的な金融市場とデジタル資産インフラの融合は、市場効率をさらに高める可能性を秘めた刺激的な進化だ」と述べ、Crypto.comと協力して「未来の資本市場」の構築を目指す考えを示した。
The Blockによると、米上場のCoinbaseの時価総額は約430億ドルで、未上場のCrypto.comの200億ドルという評価額は主要取引所として相応の水準にある(参考: The Block・Citadel Securities invests $400 million in Crypto.com at $20 billion valuation)。
Citadel Securitiesの暗号資産投資の変遷
Citadel Securitiesは米国株市場で最大級の取引シェアを持つマーケットメイカーで、近年は暗号資産分野への関与を段階的に広げてきた。当初はフィデリティやチャールズ・シュワブと共同設立した機関投資家向け取引所EDX Marketsを通じた関与が中心だったが、直近は大手リテール取引所への直接出資に踏み込んでいる(参考: Ledger Insights・Citadel Securities invests $400m in Crypto.com at $20 billion valuation)。
2025年11月
Krakenの8億ドルの資金調達ラウンド(評価額200億ドル)にJane Street、DRWとともに参加。The Blockによると、Citadel Securitiesの出資額は約2億ドルと報じられている
2026年2月
Crypto.comが米通貨監督庁(OCC)のナショナル・トラスト・バンク免許について条件付き承認を取得したとDecryptが伝えた
2026年6月
Crypto.comが米国株・ETF数十銘柄に連動する「Tokenized Stocks(トークン化株式)」の提供を開始
2026年7月16日
Citadel SecuritiesがCrypto.comへの4億ドルの戦略出資を発表。評価額は200億ドル
The Blockは、Citadel SecuritiesがRippleの5億ドルの資金調達ラウンドの共同リード投資家も務めたと報じており、1年足らずの間に主要な暗号資産企業への出資を重ねている。
トークン化証券とデリバティブへの事業拡大
Crypto.comは調達資金について、トークン化証券やデリバティブを含む「全資産クラス」への事業拡大を加速させると説明している。デジタル資産と伝統的市場を接続し、24時間365日稼働する金融エコシステムの構築を目指すという。
同社は2026年6月にトークン化株式の提供を始めたほか、予測市場や現実資産(RWA、債券や不動産などをブロックチェーン上のトークンにしたもの)のトークン化にも取り組んでいる。今回の出資は、取引所を暗号資産専業から総合的な金融プラットフォームへ転換させる動きの一環と位置づけられる(参考: Decrypt・Crypto.com Hits $20B Valuation After $400M Citadel Securities Investment)。
Decryptによると、Crypto.comの取引高はCoinMarketCap集計で世界11位。2月に条件付き承認を得た米国のトラスト・バンク免許が正式に付与されれば、カストディ(資産保管)など規制準拠のサービスを米国で広げる足場になるとみられる。
伝統的金融による取引所出資の広がり
伝統的金融機関が暗号資産取引所へ出資する動きは、今回が初めてではない。DecryptとLedger Insightsが伝えた主な事例を整理すると次のとおりで、取引所の評価額200億ドル前後での大型出資が相次いでいる。
| 出資側 | 出資先 | 内容(報道ベース) |
|---|---|---|
| Citadel Securities | Crypto.com | 4億ドル出資、評価額200億ドル(2026年7月) |
| Citadel Securities | Kraken | 8億ドルラウンドに参加、評価額200億ドル(2025年11月) |
| Intercontinental Exchange(ICE) | OKX | 評価額250億ドルで出資と報道 |
| ナスダック | Gemini | 5,000万ドルを出資と報道 |
| ドイツ取引所(Deutsche Börse) | Krakenの親会社 | 2億ドルを出資と報道 |
背景には、2024年1月の米国での現物ビットコインETF承認以降、伝統的金融が暗号資産のインフラ、トークン化、カストディへ投資を広げてきた流れがあるとCoinDeskは指摘する。取引執行だけでなく、規制準拠の商品を展開する「販路」としての取引所に資本参加する動きが強まっている。
今後の論点
注目されるのは、市況が弱含む局面でも機関投資家の資本流入が続いている点だ。Decryptによると、ビットコインは年初来で28%下落し、暗号資産市場全体の時価総額は約2兆2,000億ドルにとどまるが、その中で今回の大型出資が実行された。
編集部の見方では、今回の出資は短期の価格動向ではなく、トークン化証券など市場インフラの中長期的な拡大を見込んだ動きと考えられる(根拠: 両社が資金使途としてトークン化証券・デリバティブへの拡大を明示し、Citadel SecuritiesがKrakenやRippleにも同様の出資を重ねていること)。
一方で、トークン化株式やデリバティブの拡大には各国の証券規制との整合性が問われる。Crypto.comの米トラスト・バンク免許の正式付与の行方や、200億ドルという評価額を裏付ける収益成長が実現するかは、現時点では確認できていない。今後の規制当局の判断と各社の商品展開が焦点になる。
出典
- PR Newswire: Crypto.com Announces $400 Million Strategic Investment from Citadel Securities
- CoinDesk: Crypto.com lands $400 million investment from Citadel Securities at $20 billion valuation
- The Block: Citadel Securities invests $400 million in Crypto.com at $20 billion valuation
- Decrypt: Crypto.com Hits $20B Valuation After $400M Citadel Securities Investment
- Ledger Insights: Citadel Securities invests $400m in Crypto.com at $20 billion valuation
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産の取引には価格変動などのリスクがあります。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。
なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。


コメント