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韓国FIU、FATF総会で仮想資産トラベルルールの全面拡張を提唱——国内施行は2026年8月の予定

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韓国の金融情報室(FIU)は2026年6月21〜22日にパリで開催されたFATF(金融活動作業部会)本会議で、仮想資産取引に適用される「トラベルルール」の報告対象を金額の下限なく全取引に拡張するよう加盟国に求める提案を提出した。国内では同年8月20日を目標に施行令の改正を進めており、受信側VASPへの義務付けや無登録業者との取引制限も盛り込まれる予定だ。

この記事のポイント

  • 韓国FIUは現行の100万ウォン(約650ドル)という閾値を撤廃し、金額規模を問わず全仮想資産移送を報告対象にするようFATFに提案した。
  • 国内では2026年8月20日を目標に特定金融情報法の施行令を改正。受信側VASPへの義務付けと無登録業者への取引制限も組み込まれる。
  • FATFの2025年審査では加盟国の49%がルール15(仮想資産)で「部分的準拠」にとどまり、韓国提案は世界的な規制の底上げを目指す。

トラベルルールとは何か

「トラベルルール」とは、資金移動を行う際に送信者と受信者の個人識別情報(KYC情報)を金融機関間で共有することを義務付ける国際規制の枠組みだ。銀行間の電信送金では1990年代から運用されており、FATFが2019年に仮想資産分野への適用を勧告した(勧告15)。

日本では資金移動業者に対して2023年から適用が開始されている。韓国では現在、国際送金において100万ウォン(約650〜700ドル)を超える取引が対象で、それ以下の取引には報告義務が生じない仕組みになっている。(参考: Crypto Briefing「South Korea’s FIU pushes for Travel Rule expansion on smaller crypto transfers」

韓国FIUの3つの提案

FATF本会議でFIUのイ・ヒョンジュ(Lee Hyung Ju)長官は「仮想資産移送にはより広範な報告対象が必要だ」と述べ、以下の3点を提案した。(参考: The Coin Republic「Crypto News: South Korea Pushes Wider Transfer Reporting Rules」(2026年6月22日)

提案 1全規模の取引を報告対象に
現行の100万ウォン閾値を撤廃し、金額の大小を問わず全ての仮想資産移送においてVASPが送受信者の身元情報を共有する。

提案 2受信側VASPにも義務を適用
現行ルールは主に送信側が対象だが、受信側VASPにも顧客情報の収集・確認義務を課す。特に受信先が規制水準の低い海外事業者の場合、取引のフラグ付けや遮断を想定する。

提案 3無登録・高リスクVASPへの取引制限
FATF加盟国は、未登録または高リスクと認定された仮想資産サービス業者との取引を制限または禁止する措置を検討する。

提案の直接的な背景にあるのは「スマーフィング(smurfing)」と呼ばれるマネーロンダリング手法だ。大口送金を複数の小口に分割して閾値以下に収めることで報告義務を回避する行為で、FIUはこの手口が閾値型のルール設計に内在する抜け穴になっていると指摘する。

FATFの準拠状況——格差の実態

FATFが2025年に実施した加盟国審査では、仮想資産サービス業者(VASP)に関する勧告15の準拠状況に大きな格差があることが明らかになった。全体の70%超が完全な実施に至っていない。

評価結果 加盟国の割合
準拠 / 概ね準拠 29%
部分的準拠 49%
非準拠 21%

韓国FIUはこの格差が「規制裁定(regulatory arbitrage)」を生み出し、コンプライアンス水準の低い管轄区域が資金洗浄の経路になると主張する。送金元が規制の厳しい韓国の取引所であっても、送金先が無規制の業者であれば情報連鎖が途切れる点が課題だ。(参考: The Coin Republic

国内施行スケジュールと改正内容

韓国はFATFへの提案と並行して、国内法整備も進めている。「特定金融情報の報告及び利用等に関する法律(特定金融情報法)」の施行令改正により、トラベルルールの適用対象が100万ウォン以上の取引から全取引に拡大される。施行令改正の発効目標は2026年8月20日だ。(参考: Crypto Briefing

改正後は国内で事業を展開する全てのVASP(国内外の登録事業者)が対象となる。送信額が少額であっても、受信先が海外の低規制業者である場合は取引のフラグが立てられ、場合によっては遮断される可能性がある。

ステーブルコイン監視の強化

FIUの2026年作業計画には、ステーブルコイン取引の監視強化が明記されている。ドル建てステーブルコインが国際送金の媒体として広く使われるようになったことを受けた措置だ。価格変動が小さいステーブルコインは、仮想通貨を活用した国境をまたぐ送金の主要手段になっており、FIUはその実態把握を強化する。

用語の整理

トラベルルール(Travel Rule)
FATF勧告15に基づく規制。仮想資産を送受信する業者が、送金人・受取人の氏名や口座情報を相手方業者に通知する義務。銀行電信送金で長年運用されてきたルールの仮想資産版。

VASP(Virtual Asset Service Provider)
仮想資産サービス業者。暗号資産取引所、ウォレットプロバイダーなど、仮想資産の交換・移転・保管などを業として行う事業者の総称。

スマーフィング(Smurfing)
大口の資金を複数の小口に分散させ、報告義務の閾値以下に収めることでAML規制を回避するマネーロンダリング手法。

国際標準化への波及可能性

韓国は過去にも仮想資産規制で先行し、地域標準を形成した実績がある。2018年に導入した実名口座制度——取引所の口座と銀行口座の名義を一致させる要件——はその後アジア各国の規制策定の参考例となった。今回の提案も、採択されれば世界的な規制水準の引き上げにつながる可能性がある。(参考: Crypto Economy「South Korea FIU Seeks Wider Crypto Travel Rule」

FATFの勧告採択には加盟国の合意が必要で、即時の強制力はない。ただし採択後は各国の規制当局が準拠を迫られる政治的圧力が高まる。日本の金融庁も動向を注視しているとみられ、今後の国内の資金移動業者規制に影響が出る可能性がある。

一方で、取引所側のコスト負担は課題として残る。閾値なしのトラベルルールでは、小額の送金ごとに送受信者情報の確認・送信が必要になるため、特に小規模な業者にとってシステム対応コストが増大する。業界団体からは技術的・経済的な実現可能性を問う声が出ることも予想される。

出典

免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言や勧誘を意図するものではありません。仮想資産への投資は価格変動リスクを伴い、投資元本の全部または一部を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。

なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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