チェルシーFCは8月28日、ステーブルコイン「USDC」の発行元であるサークル・インターネット・グループ(Circle Internet Group)をプリンシパルパートナー兼公式フロント・オブ・シャツパートナーに迎えると発表した。2026/27シーズンから、男子・女子・アカデミーのユニフォーム前面にサークルとUSDCのブランドが入る。(参考: Circle「Chelsea FC and Circle Bring USDC Brands to the Global Game」)
この記事のポイント
- 暗号資産関連企業がプレミアリーグのクラブでユニフォーム前面のスポンサーに就くのは初めて。
- チェルシーは2022-23シーズン限りでThreeとの契約が終了して以来、恒久的な胸スポンサーが不在だった。
- 英FCAは6月3日、無認可の金融業者とのスポンサー契約についてクラブに警告を出したばかりだった。
契約の内容とロゴ初着用
サークルは米ニューヨーク証券取引所に上場するステーブルコイン発行会社で、米ドルに価値を連動させるUSDCを発行している。今回の契約では、男子トップチーム、女子チーム、アカデミーの各シャツにブランドが掲出される。(参考: The Block「Circle strikes Chelsea front-of-shirt sponsorship deal featuring USDC」)
ロゴが公式戦に初めて登場するのは、8月30日にスタンフォード・ブリッジで行われるプレミアリーグのホーム開幕戦、ブライトン戦になる。
サークル共同創業者兼CEOのジェレミー・アレール氏は発表文で「私たちは、お金がインターネットのように、あらゆる人にとってどこでもシームレスに機能すべきだという信念のもとにUSDCを築いてきた」と述べた。
チェルシーFCのジェイソン・ギャノン社長は「サークルとのこのパートナーシップは、フットボールのデジタルな進化の最前線にチェルシーを位置づけるものだ」とコメントした。チェルシー・ウィメンのCEOであるアキ・マンダー氏も、スタンフォード・ブリッジを本拠地とする最初のシーズンにサークルとUSDCを迎えることへの期待を表明している。
財務条件は開示されていない。英メディアは、チェルシーが胸スポンサー枠に年6,500万ポンド(約8,830万ドル)を目標としていたと今年前半に報じており、今回合意した金額を年6,790万〜8,150万ドル規模と伝える報道もある。契約期間は1シーズンと報じられている。(参考: Yahoo Sports「Chelsea announce new shirt sponsor」)
胸スポンサー不在が続いた経緯
チェルシーは通信会社Threeとの胸スポンサー契約が2022-23シーズン限りで終了して以降、恒久的なパートナーを確保できていなかった。その間はスポーツデータ企業インフィニット・アスリートなどとの短期契約でつないできた。
今季の開幕節を胸スポンサーのないシャツで戦っており、プレミアリーグのクラブの中で最も長く空白が続いていた枠が、今回ようやく埋まった形になる。
経緯
2023年6月 Threeとの胸スポンサー契約が2022-23シーズン終了とともに満了
2023-24 インフィニット・アスリートと単年の短期契約
2026年6月3日 英FCAが国内のフットボールクラブ全体に対し、無認可の金融業者との提携に警告
2026-27 プレミアリーグでベッティング企業の胸スポンサーが自主規制により禁止に
2026年8月28日 チェルシーがサークルをプリンシパルパートナーとして発表
2026年8月30日 ブライトン戦でUSDCロゴが公式戦初登場
FCAの警告とベッティング胸スポンサー禁止
英金融行動監視機構(FCA)は6月3日、フットボールクラブに対し、英国で無認可の金融業者とのスポンサー契約に注意するよう求める書簡を送ったと公表した。書簡では「無認可の企業とのクラブ提携が増えており、その一部は違法に業務を行っているとみられる」と指摘している。(参考: FCA「Football clubs warned about questionable sponsorship deals with unauthorised firms」)
FCAの消費者投資部門ディレクター、ルーシー・キャッスルダイン氏は「クラブは、無認可の金融業者がファンの忠誠心につけ込み、疑わしい商品を何百万人もの目の前に置くことを許すべきではない」と述べた。FCAはクラブに対し、金融サービス企業との契約前に適切なデューデリジェンスを行うことを期待するとしている。
報道では、チェルシーの暗号資産取引所パートナーであるBingXや、マンチェスター・シティの袖スポンサーであるOKXが、英国のライセンスを保有していない例として挙げられた。これに対しサークルは、2016年に取得した電子マネー発行者としての認可をFCAから受けていると報じられており、規制上の位置づけが異なる。(参考: SportsPro「Premier League clubs warned about crypto sponsorship deals as betting ban comes into effect」)
| クラブ | 企業 | 掲出箇所 | 英国での認可 |
|---|---|---|---|
| チェルシー | サークル(USDC) | シャツ前面(2026/27〜) | FCAの電子マネー発行者認可を保有と報道 |
| チェルシー | BingX | 暗号資産取引所パートナー | 英国のライセンスなしと報道 |
| マンチェスター・シティ | OKX | 袖スポンサー | 英国のライセンスなしと報道 |
もう一つの背景として、プレミアリーグは2026-27シーズンからベッティング企業の胸スポンサーを取りやめる自主規制を実施している。従来クラブの主要収入源だった賭博系の胸スポンサー枠が空き、そこに別業種の資金需要が向かう構図になっている。
編集部の見方では、FCAが無認可業者を名指しで牽制した直後に、認可を持つ発行体が最も目立つ枠を取った点が今回の特徴である(根拠: FCAが6月に求めたデューデリジェンスの水準と、サークルが電子マネー発行者認可を持つとの報道)。
USDCの供給規模と競争環境
用語の整理
ステーブルコイン:法定通貨などに価値を連動させるよう設計された暗号資産。USDCは米ドルに1対1で連動する設計。
プリンシパルパートナー:クラブの最上位のスポンサー区分。フロント・オブ・シャツパートナーはユニフォーム前面にブランドを掲出する権利を持つ。
電子マネー発行者ライセンス:英国で電子的な価値の発行・償還を行うためにFCAの認可を要する登録区分。
GENIUS法:米国で成立した決済用ステーブルコインの発行と準備資産に関する法枠組み。
The Blockによると、USDCの供給量は8月28日時点で739億ドルで、米ドル建てステーブルコイン全体2,922億ドルの25.3%を占める。直近1週間で約10億ドル増えた。
サークル株(CRCL)は発表当日の取引で一時90ドル台半ばまで買われた。もっとも銀行系ステーブルコインの参入による競争激化が意識されており、上昇が続くかは不透明だと伝えられている。(参考: The Coin Republic「Circle Stock Rallies Intraday on Chelsea Deal」)
暗号資産企業によるスポーツ投資自体は新しくない。Crypto.comによる米ロサンゼルスのアリーナ命名権(20年・7億ドル)や、OKXのマンチェスター・シティとの提携などが先行例として挙げられている。一方で2022年に経営破綻したFTXが多数のスポーツ資産と提携していたことも、この分野では繰り返し参照される。
今後の論点
第一に契約の継続性である。今回の合意は1シーズンと報じられており、複数年契約に移行するかは現時点で確認できていない。
第二に広告規制との整合である。ステーブルコイン自体は価格変動を抑える設計だが、その入り口としての役割を踏まえ、英国の金融プロモーション規制の下でどこまでの訴求が認められるかが実務上の焦点になる。
第三に、他クラブが同様の枠を暗号資産関連企業に開くかどうかである。FCAは認可の有無を明確な線引きとして示しており、無認可企業の露出は絞られる方向にある。
出典
- Circle — Chelsea FC and Circle Bring USDC Brands to the Global Game
- Chelsea FC — Chelsea Football Club announces Circle Internet Group as Principal Partner
- The Block — Circle strikes Chelsea front-of-shirt sponsorship deal featuring USDC
- FCA — Football clubs warned about questionable sponsorship deals with unauthorised firms
- SportsPro — Premier League clubs warned about crypto sponsorship deals as betting ban comes into effect
- Yahoo Sports — Chelsea announce new shirt sponsor
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動や発行体の信用に関するリスクを伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。
なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。


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