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ブテリン氏、イーサリアムの2030年構想を公表。「暗号学的ワールドコンピューター」へ

イーサリアム(ETH)
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イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は9月27日、論考「The cryptographic world computer(暗号学的ワールドコンピューター)」を公開した。2027年に予定する大型アップグレード「Hegota(ヘゴタ)」以降のイーサリアムを、ブロックチェーンと暗号技術を組み合わせたハイブリッドなシステムへ移行させる構想を示している。

この記事のポイント

  • ブテリン氏はHegotaを「おそらくイーサリアム最後の『通常の』フォーク」と位置付けた
  • 全ノードが全計算を再実行する方式から、暗号学的証明を検証する方式への転換が柱
  • 2030年にスロット4〜8秒、ファイナリティ8〜32秒を想定。量子耐性やプライバシー強化も盛り込む

論考「暗号学的ワールドコンピューター」の概要

ブテリン氏は論考の公開にあわせてX(旧Twitter)に投稿し、Hegotaの次のフォーク以降にイーサリアムで予定されている変更の「真の意味」を簡潔に表現する試みだと説明した。同氏は「もはや単なるブロックチェーンではない。ハイブリッドなアーキテクチャだ」と述べている。(参考: vitalik.eth・X投稿)

構想の中心は、ブロックチェーンの合意形成に、暗号学的証明、プライバシー技術、ベースチェーンの外で動く分散型の計算資源を組み合わせる点にある。Decryptによると、ブテリン氏はこれをサトシ・ナカモトのアイデアと現代暗号技術を融合した「ハイブリッドな構成」と表現し、ブロックチェーン単体よりも「はるかに強力な性質を実現できる」と述べた。(参考: Decrypt・Vitalik Buterin Outlines ‘Cryptographic World Computer’ Plan for Ethereum)

再実行から証明検証への転換

現在のイーサリアムでは、各ノードがすべての取引を自ら再実行して正しさを確かめる。このため、参加するコンピューターを増やしても処理能力は増えないという構造的な制約がある。

構想では、特定のコンピューターが計算を担い、「ルールに従ったことを示す短い数学的証明」を生成する。他の参加者は元の計算をやり直すより速く、その証明を確認できる。これにより、異なるコンピューターが別々の処理を並行して担いながら、互いの結果を検証し合えるようになるとCoinDeskは伝えた。(参考: CoinDesk・Vitalik Buterin maps Ethereum’s shift beyond a blockchain in sweeping 2030 vision)

ブテリン氏は、こうした発想がかつて実現できなかった理由について「当時は主に一つの理由で実現可能ではなかった。欠けていたのは検証だ」と振り返っている。(参考: 同CoinDesk記事)

データ面では、2025年12月のFusakaアップグレードで導入されたPeerDAS(データ可用性サンプリングの一方式)により、バリデーターはBLOB(ロールアップ向けの一時データ)を全量ダウンロードせず、抜き出した断片だけを確認できるようになった。ForkLogによると、ブテリン氏はこの手法がいずれブロック全体の内容に広がると見込んでいる。(参考: ForkLog・Vitalik Buterin outlines Ethereum’s path to a ‘cryptographic world computer’)

用語の整理

SNARK/STARK
計算が正しく行われたことを、小さな証明データで第三者が素早く確認できる暗号技術。ゼロ知識証明の代表的な方式。再帰的STARKは複数の証明を1つにまとめる手法。
データ可用性サンプリング(DAS)
データ全体を取得せず、一部を無作為に抜き出して確認することで、データが公開されていることを確かめる手法。
FOCIL(EIP-7805)
複数のバリデーターが「含めるべき取引」のリストを示し、特定の取引が排除される検閲を防ぐ仕組み。
ファイナリティ
取引が覆らない状態として確定すること。

Hegotaの位置付けとその後の技術要素

ブテリン氏は2027年に予定されるHegotaについて、「おそらくイーサリアム最後の『通常の』フォーク」だと述べた。2015年当時にネットワーク開発に携わった人にもなじみのある技術で構成される、という意味合いだとCoinDeskは報じている。(参考: CoinDesk)

ForkLogによると、Hegotaは2027年第2四半期の実施が暫定目標で、検閲耐性を高めるFOCIL(EIP-7805)と、Frame Transactions(EIP-8141)の2つが中核の変更とされる。(参考: ForkLog)

同氏はHegota以降について「この変革がイーサリアムの主要なストーリーになる」と記した。Crypto Dailyは、その後の中核技術として次の要素を挙げている。(参考: Crypto Daily・Vitalik Buterin Sets Out Ethereum’s ‘Cryptographic World Computer’ Vision for 2030)

  • 再帰的STARKによる証明の集約
  • 自動化された形式検証(プログラムの正しさを数学的に確かめる手法)
  • 最適化されたプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の合意形成
  • 複数の参加者によるブロック構築
  • 量子コンピューターに耐える暗号方式

プライバシー面では、送金内容の暗号化にとどまらず、ウォレットが残高を照会する際の問い合わせ内容やアカウントの承認ルールも秘匿する方向を示した。現在はウォレットが外部サーバーに照会するため、サービス運営者に利用者の関心先が分かってしまう問題がある。(参考: Coin Turk・Vitalik Buterin outlines Ethereum’s cryptographic world computer vision for 2030)

2015年との比較と2030年の目標値

ブテリン氏は、2015年のローンチ時と2030年の想定を対比する形で目標を示した。各メディアの報道をもとに主な項目を整理すると次のとおり。

項目 2015年(ローンチ時) 2030年の想定
ブロック(スロット)間隔 約17秒 4〜8秒
確定までの時間 約200秒(12承認) 8〜32秒(ファイナリティ)
検証の方式 全ノードが全計算を再実行 データのサンプリングとSNARK検証
合意形成 プルーフ・オブ・ワーク 最適化されたPoS、量子耐性
ブロック構築 単一の主体 複数の参加者による構築

確定時間を約200秒から8〜32秒へ短縮する目標は、Decryptも同様に報じている。ただしCrypto Dailyは、イーサリアム財団のロードマップ資料では各時期が「保証ではなく目標」とされている点を指摘した。(参考: Decrypt、Crypto Daily)

市場の反応は限定的だった。Decryptは論考公開後のETH価格を2,675.18ドル(0.36%安)と伝えている。Yahoo Financeによると、9月28日のETHの始値は2,687.59ドルで、前日比0.3%安だった。(参考: Yahoo Finance・Bitcoin and ethereum prices today, Monday, September 28, 2026)

研究者・法律家の見方と残る課題

Coin Turkによると、イーサリアム財団の研究者バルナベ・モノ氏は、計算をオフチェーンへ移すことで処理負荷を大きく減らせる可能性を認める一方、中核となる状態データは誰でも許可なくアクセスできるようオンチェーンに残すべきだと指摘した。暗号資産分野の弁護士ガブリエル・シャピロ氏は、伝統的金融は「継続的な暗号学的検証」ではなく法的枠組みに依拠しているとして、市場の需要に疑問を呈したと同メディアは伝えている。(参考: Coin Turk)

技術面の課題はブテリン氏自身も認めている。Crypto Dailyによると、同氏は効率的で安全な証明生成は依然として難しく、非常に大きな状態(ステート)へのアクセスを管理・並列化することが、システム全体としてはより複雑な問題になり得るとの見方を示した。同メディアは、現在のロールアップが中央集権的なシーケンサー(取引の順序付けを担う主体)に大きく依存している点や、プライバシーを加えると証明生成のコストが増す点も課題に挙げた。(参考: Crypto Daily)

CoinDeskも、証明生成を広く普及できる水準まで効率化することと、残高やアプリケーションの記録を共有する中で別々の処理が干渉し合わないよう調整することを、開発者が取り組むべき課題として挙げている。(参考: CoinDesk)

編集部の見方では、今回の論考は新しい機能の発表というより、既存のロードマップの到達点を一つの言葉で示したものと考えられる(根拠: Crypto Dailyが、構想はロールアップやBLOBなど現行のスケーリング路線の延長線上にあると整理している点)。当面は、2027年のHegotaでFOCILなどが予定どおり実装されるかが、構想の実現性を測る最初の目安になる。

出典

免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。

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