ハンター・バイデン氏が9月9日、自身のノートパソコン問題にちなんだミームコイン「LAPTOP」を、イーサリアムのレイヤー2「Base」上で発行する。米ウォール・ストリート・ジャーナルが9月7日に計画を報じ、本人もX(旧ツイッター)に「$LAPTOP」と「September 9」と投稿して告知した。(参考: CNN Business「Hunter Biden is reportedly launching a meme coin inspired by his infamous laptop」)
この記事のポイント
- LAPTOPは総供給10億枚で、創業者側が30%、エアドロップ枠が20%。エアドロップの対象にはTRUMPトークンで損失を出したウォレットが含まれると報じられている。
- 発表直後から暗号資産のトレーダー層が反発し、Krakenが宣伝投稿を削除、メーリングリストを提供した映像ジャーナリストの側も関与を否定した。
- カリフォルニア州では公職者のミームコイン発行を禁じる法案AB2409が9月3日に知事へ送付され、署名されれば上場規制が2027年1月1日から適用される。
目次
LAPTOPの発行計画とトークン配分
トークン名の「LAPTOP」は、2020年の米大統領選前に本人のノートパソコンの保存データが政治問題化した経緯に由来する。発行先はコインベース・グローバルが運営するレイヤー2ネットワークのBaseで、総供給量は10億枚とされる。
報道によると、バイデン氏を含む創業者側が全体の30%を保有し、6か月間は売却できず、2年で全量が権利確定(ベスティング)する。別枠の20%は2回に分けて配布され、対象にはTRUMPトークンで損失を出したウォレット、バイデン氏のSubstack購読者、映像ジャーナリストのアンドリュー・キャラハン氏が管理するメーリングリストが挙げられている。(参考: Forbes「Hunter Biden Launching $LAPTOP Memecoin Amid Praise For Crypto」)
供給量の最大30%は、条件付きでバーン(焼却)される設計だという。条件として、2028年の米大統領選で民主党候補が勝利すること、LAPTOPの時価総額がTRUMPを上回ること、ビットコインが最高値を更新することが報じられている。いずれも発行体の裁量ではなく外部の出来事に紐づく点が特徴だが、判定方法やバーンの実行主体について確認できる一次情報は現時点で見当たらない。
用語の整理
ミームコイン:インターネット上のミームや著名人、時事ネタとの結び付きで注目を集めるトークン。事業収益や裏付け資産ではなく、話題性と需給で価格が動く。
Base:米コインベースが開発したイーサリアムのレイヤー2(処理を外部で行い手数料を下げる拡張技術)ネットワーク。
エアドロップ:特定条件を満たすウォレットにトークンを無償配布する手法。
ベスティング:関係者保有分に売却制限をかけ、時間経過とともに解除する仕組み。
発表直後に広がった批判と関係者の距離取り
発行前から、暗号資産のトレーダー層は否定的な反応を示した。コインデスクは9月8日、批判を受けて暗号資産取引所Krakenが宣伝投稿を削除し、キャラハン氏とBaseの幹部が距離を置いたと伝えた。(参考: CoinDesk「Crypto traders turn on Hunter Biden’s LAPTOP memecoin before it even launches」)
同記事によると、キャラハン氏側は自社の声明で、同氏は$LAPTOPと「何の関係もない(nothing to do with)」とし、バイデン氏は聴衆を広げるためにメーリングリストを利用しているだけだと説明した。声明はさらに「我々はフォロワーに何度も伝えてきたとおり、暗号資産が正当な投資対象だとは考えていない」と述べている。
著名トレーダーのDonAlt氏は、バイデン氏が「ようやく発言の場を与えられた」のにミームコインの発行に使ったとして、これを「まったくの赤っ恥(an utter embarrassment)」と評した。批判の多くは、トランプ大統領周辺の暗号資産事業を批判してきた側が同じ手法を採ることへの整合性を問うもので、Decryptが引用した投稿は「詐欺だとトランプを批判しておいて、自分でも同じことをするのか」と指摘した。(参考: Decrypt「Will the Crypto Trenches Show Up for Hunter Biden’s Meme Coin?」)
発行の2日前に予告が出たことについては、自動売買プログラムが上場直後の買い付けで先回りしやすくなるとの懸念も出ている。市場全体の地合いも強くはない。9月8日のビットコインは7万9000ドル前後から7万8000ドル台へ下落し、暗号資産の時価総額は前日比1.1%減となった。(参考: Yahoo Finance「Bitcoin and ethereum prices today, Tuesday, September 8, 2026」)
ここまでの経緯
2025年1月TRUMPトークンが大統領就任の3日前に発行。直後に最高値73.43ドルを付ける。
2026年8月26日カリフォルニア州上院がAB2409を可決。その後、下院が78対0で上院修正に同意。
2026年9月3日AB2409がニューサム知事に送付(enrolled)。署名・拒否権いずれの判断も未了。
2026年9月7日ウォール・ストリート・ジャーナルがLAPTOPの計画を報道。本人がXで9日発行を告知。
2026年9月8日批判が拡大。Krakenが宣伝投稿を削除し、関係者が関与を否定。
2027年1月1日AB2409が成立した場合、取引所の上場禁止規定が適用開始。
カリフォルニア州AB2409の内容と適用範囲
カリフォルニア州議会は8月、アベリノ・バレンシア下院議員が提出した法案AB2409を可決した。州の記録によれば、法案は9月3日に知事へ送付され、ギャビン・ニューサム知事の判断を待つ段階にある。(参考: CalMatters Digital Democracy「AB 2409: Digital assets: meme coins」)
法案の柱は二つある。第一に、州・地方の公職者および契約や入札に決定権を持つ公務員によるミームコインの発行を禁止する。第二に、デジタル資産の取引業者が、連邦・州・地方の公職者の肖像や名前を用いたミームコイン、あるいは公職者が発行・提携したミームコインを、カリフォルニア州の住民向けに上場することを禁じる。
上場禁止の対象は2027年1月1日以降に発行されたトークンに限られ、それ以前に発行されたものは適用外となる。この線引きにより、2025年1月に発行されたTRUMPトークンは規定の対象外になると報じられている。(参考: crypto.news「California lawmakers pass bill targeting meme coins issued by public officials」)
執行面では、州司法長官が差止命令と利益の吐き出し(ディスゴージメント)を求めて民事訴訟を提起でき、地方検事・市法務官・郡法務官も公職者の違反について執行権限を持つ。法案が定めるミームコインの定義は、インターネットミーム、公人、架空のキャラクター、時事、社会的トレンドなどとの結び付きで認知され、価値が主として「公衆の関心、投機、コミュニティの関与」から生じるデジタル資産、というものだ。定義が広いため、どこまでが規制対象かは施行後の運用に委ねられる部分が残る。
TRUMPトークンの下落と投資家の損失
政治色を帯びたミームコインの前例として繰り返し参照されるのがTRUMPトークンである。2025年1月の発行直後に最高値73.43ドルを付けたが、2026年9月時点では2ドル台での取引が伝えられ、ピーク比で96〜97%の下落と報じられている。(参考: Decrypt「Trump Meme Coin Down 96% From Peak as President’s Approval Ratings Sink」)
ブロックチェーン分析企業Nansenの集計として、発行以来TRUMPを購入した約148万のウォレットのうち、6月末時点で約98万9000のウォレットが損失を抱え、その合計は38億1000万ドルに上るとされる。一方でトランプ大統領は2025年の資産開示で、関連する「Celebration Coins」のロイヤリティおよびライセンス収入として約6億3600万ドルを申告した。(参考: Fortune「Close to a million investors of the Trump memecoin lost a collective $3.8 billion」)
類例は他にもある。Decryptは、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が言及したLIBRAが数時間で45億ドルの評価額に達した後に急落したこと、インフルエンサーのヘイリー・ウェルチ氏のトークンが4億9100万ドルまで上昇した後に90%超下落したことを挙げている。
| トークン | 発行時期 | ピーク時 | その後 |
|---|---|---|---|
| TRUMP | 2025年1月 | 最高値73.43ドル | 2026年9月時点で2ドル台。ピーク比96〜97%安 |
| LIBRA | 2025年2月 | 評価額45億ドル | 数時間で急落 |
| HAWK | 2024年12月 | 4億9100万ドル | 90%超下落 |
| LAPTOP | 2026年9月9日(予定) | 未発行 | 創業者30%は6か月ロック、2年で全量権利確定と報じられる |
日本の制度との対比と今後の論点
日本では、暗号資産を金融商品として位置づける改正金融商品取引法が2026年7月に成立した。日本経済新聞によると、未公表情報に基づくインサイダー取引を禁じ、発行者に年1回の情報開示を義務づけるほか、無登録営業の罰則を懲役3年以下から10年以下へ、罰金を300万円以下から1000万円以下へ引き上げる。(参考: 日本経済新聞「仮想通貨を金商法で規制 改正法成立、市場健全化で利用者保護に力点」)
ただし日本の枠組みは、発行者の属性ではなく取引の公正性と開示を軸にしている。これに対しカリフォルニア州のAB2409は、発行者が公職にあるかどうかで直接に禁止線を引く点で発想が異なる。編集部の見方では、この違いが今後の比較材料になる(根拠: 改正金商法はインサイダー取引規制と開示義務を中心に構成され、公職者の発行を名指しで禁じる条項を含まない)。
当面の焦点は三つある。ニューサム知事がAB2409に署名するか、LAPTOPが発行後にどの程度の流動性を維持できるか、そして州法が成立した場合に「ミームコイン」の広い定義が取引所の上場審査にどう反映されるかである。いずれも現時点では確定していない。
出典
- CoinDesk – Crypto traders turn on Hunter Biden’s LAPTOP memecoin before it even launches
- Decrypt – Will the Crypto Trenches Show Up for Hunter Biden’s Meme Coin?
- CNN Business – Hunter Biden is reportedly launching a meme coin inspired by his infamous laptop
- Forbes – Hunter Biden Launching $LAPTOP Memecoin Amid Praise For Crypto
- The Hill – Hunter Biden announces $LAPTOP meme coin launch following years of controversy
- crypto.news – California lawmakers pass bill targeting meme coins issued by public officials
- CalMatters Digital Democracy – AB 2409: Digital assets: meme coins
- Decrypt – Trump Meme Coin Down 96% From Peak as President’s Approval Ratings Sink
- Fortune – Close to a million investors of the Trump memecoin lost a collective $3.8 billion
- Yahoo Finance – Bitcoin and ethereum prices today, Tuesday, September 8, 2026
- CRYPTO TIMES – 【今日の仮想通貨】バイデン息子がミームコイン発行へ
- 日本経済新聞 – 仮想通貨を金商法で規制 改正法成立、市場健全化で利用者保護に力点
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言や特定の暗号資産の売買を推奨するものではありません。暗号資産は価格変動が大きく、元本を失う可能性があります。投資の判断はご自身の責任で行ってください。
なお、本記事はAIを活用して作成しています。正確性に努めていますが、内容が事実と異なる可能性があります。重要な情報はご自身で公式・一次情報をご確認ください。


コメント